2024.3.19 参議院 予算委員会「障害者の地域生活を守るために 介護報酬の引き上げを!」


○木村英子君
 れいわ新選組の木村英子です。
 本日は、重度訪問介護制度について伺います。
 この制度は、1974年に、施設から地域へ出てきた重度障害者の人たちの障害者運動によってつくられた介護保障制度です。この制度のおかげで見守りも含めた長時間の介護を受けることが可能となり、現在1万人を超える重度障害者の方が利用し、地域で生活する上で欠かすことのできない重要な生命線となっています。
 しかし、今、深刻な介護者不足により、事業所から介護の派遣を打ち切られたり、撤退する事業所が増え、トイレや食事をしてくれる介護者が見付からず体を壊すなど、介護の必要な障害者の生活が危機にさらされています。また、事業所から派遣を打ち切られた障害者の中には、やっとの思いで築いてきた地域での生活を断念するしかなく、施設に入ってしまった障害者の人もいます。
 資料1をご覧ください。


 これは奈良県で重度訪問介護を利用できなかったALSの方の事例ですが、最後まで家族と一緒に自宅で生活したいと希望しても、派遣してくれる事業所が見つからず、泣く泣く入院して、そのまま亡くなられました。その方は、病気が進んで声を出すことすら難しくなっていた状態でも、絞るように声を出して、帰りたい、いつ帰れるとおっしゃっていたそうです。
 このように、介護者不足で生活や命を諦めなくてはならない状況にさらされている事例は氷山の一角であり、私自身も同じ状況です。
 厚労省は地域移行を掲げていますが、ほとんどの事業所は介護保険が中心で、人手不足が深刻な中で重度訪問介護の利用者を断らざるを得ない状況に置かれています。
 障害者が介護者不足におびえず、不安を抱えることなく地域で生き続けられるように、厚労省は、各自治体に対して、重度訪問介護の事業所を増やす対策を検討し、重度訪問介護のサービスを断らずに提供できる体制を整えるという自治体の責務を果たすように通知を出すなど、早急に働きかけを強めていただきたいと思いますが、厚労大臣、お答えをお願いします。

○国務大臣(武見敬三君)
 地域生活を希望する重度障害者が、障害福祉サービスの利用により地域で安心して生活が送れるようにしていくことは極めて重要であると理解をしております。
 重度訪問介護を含めて、障害福祉サービスについては地域のニーズに応じた事業所等の整備が必要であり、各市町村において、国の方針に基づいて必要なサービス量を見込んだ障害福祉計画を策定し、計画的な整備を推進していくよう求めているところです。
 また、今般の報酬改定におきましても、障害福祉分野の賃上げについて、賃上げの実現に必要な水準の報酬の改定率を決定するとともに、この重度訪問介護については、基本報酬の引上げや加算の拡充などを講じたところでございます。
 引き続き、自治体に対して、こうした取組を含め、重度訪問介護等の事業所の確保や従業員の養成について関係課長会議の場などを活用して働きかけをしてまいりたいと思います。

○木村英子君
 障害者の現状は逼迫していますので、早急に改善をお願いしたいと思います。
 また、重度障害者、重度訪問介護の介護者不足というものに拍車を掛けているのは、介護保険などの身体介護に比べて重度訪問介護の基本報酬が圧倒的に低いということにあります。報酬改定で処遇改善加算が少し上がったとはいえ、重度訪問介護の基本報酬が1時間1850円程度と、身体介護の報酬の4000円程度に比べると基本報酬の単価が半分以下となっています。これでは加速する人手不足の危機は絶対に止められません。
 資料2をご覧ください。


 最近の社会保障審議会や報酬改定検討チームにおいても、当事者団体から基本報酬の低さから重度訪問介護サービスが使えない現状が全国に広がっているとの意見が出されています。
 資料3では、東京都や熊本県など幾つかの自治体からも重度訪問介護の報酬単価の見直しの要請が出されているところです。


 このような厳しい状況の中、今回の令和6年度の報酬改定の基本報酬の引上げ幅では事業所の撤退や派遣の打切りに歯止めを掛けることはできないと考えます。
 介護の必要な障害者が介護者不足で生活や命の心配をせずに地域で安心して生きていけるように、安定的な事業所運営や人材確保ができるように、重度訪問介護の基本報酬を抜本的に引き上げていただきたいと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(武見敬三君)
 先ほども答弁で申し上げましたとおり、地域生活を希望する重度障害者の皆様が地域で安心してその生活を送れるようにするために、重度訪問介護を含めて障害福祉サービスの確保を図っていくことは極めて重要であると考えております。
 この重度訪問介護事業所の数も、現に、平成24年度5717か所から令和4年度に7490か所にまで増えてだんだんまいりました。令和6年度報酬改定においては、この重度訪問介護について、支援の質の向上を図るために基本報酬を増やすとともに、これは1日当たり1から20単位でございますが、さらに熟練の従業者が新任の従業者に同行する場合の加算の充実、これは両従事者二人合計で報酬170%から180%への引上げなどの措置も講じてまいりました。
 今後とも、当事者の方や現場の従業者の方の声をしっかりと聞きながら、障害者が希望する地域生活を実現できるように取り組んでまいりたいと思います。

○木村英子君
 基本報酬に格差があるので、今の現状では介護者不足というのはなかなか改善できないと思います。
 とにかく、基本報酬を、身体介護と同じぐらいの単価で重度訪問介護の報酬を上げていただきたい、それを強く求めて、質問を終わりたいと思います。

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