『えいこのかけはしだより』2021年秋号を公開しました。

木村英子の広報誌「えいこのかけはしだより」2021年秋号を公開しました。
昨年の活動をまとめたものです。ぜひご覧ください。

(表紙)2021年秋号えいこのかけはしだより
(見出し)木村英子1年の活動報告
①私がコロナにかかったとき
②木村英子国会質疑
③改善項目
④重度訪問介護って?
⑤激動の1年を振り返って
(写真・キャプション1)外国特派員協会記者会見
(写真・キャプション2)日産バネット試乗
(写真・キャプション3)当事者からの相談や要望をオンラインでヒアリング
(タイトル)私がコロナにかかったとき

(小見出し)新型コロナウィルスに感染
昨年、新型コロナウィルスが日本に上陸し、政府は感染拡大を防ぐために、濃厚接触を避けるように呼びかけていました。しかし、濃厚接触を避けられない子どもや高齢者、そして障害者にとって、コロナは日常生活を脅かす脅威となることを私は予想していました。
なぜなら、他者の手を借りなければ生きていけない私たちは、常に濃厚接触が必要不可欠で、ふれあうことが当たり前の生活の中で感染しやすい環境に置かれているからです。もともと私は体が弱く、インフルエンザにもかかりやすかったため、コロナに感染することは時間の問題だと思っていました。そんな不安を抱えながら議員活動をしていく中で、本会議や委員会以外の議員活動はリモートでの仕事を中心とし、感染対策にも気を付けていました。しかし、不安は的中し、今年2月に新型コロナウィルスに感染してしまいました。感染経路は不明です。最初、軽いせきが出だして、だるさを感じて「疲れかな」と思っていたら、熱が出て、すぐに病院に行き検査を受けました。翌日、保健所から「コロナ陽性」と告げられたとき、まるで死の宣告を受けたような恐怖を感じました。

(小見出し)入院時の介護者の必要性
その時点では、ワクチン接種は医療従事者を対象に始まったばかりで、治療薬はまだ存在しておらず、私の体力では重症化する恐れがありました。そのとき、真っ先に頭に浮かんだのは、介護者にコロナをうつしてしまうのではないかという不安でした。そして、どうやったら介護者に感染させずに療養中の介護体制を作っていけばいいのかととても悩みました。
 私は食事、トイレ、 着替え、入浴、外出など、あらゆる場面において介護が必要で、重度訪問介護の制度を利用しながら、24時間介護者とともに生活をしています。私が入院する場合においても当然、介護者の付き添いは不可欠ですし、今までの入院生活も介護者が交代で付き添って行ってきました。私は入院中、ベッドの上で横になっているとき、身体を支えるために5か所にクッションを入れて体勢を安定させなければ、首や背中、体中が痛くなります。そのため、すぐに体位交換をしなければ、寝ることもできず、 障害も重くなってしまいます。さらに、持病の尿管結石を防ぐために頻繁に水分補給をするため、トイレの回数も多く、常に介護者の見守りも含めた介護がないと命を保っていくことができません。

(小見出し)入院するにしても・・・
私がコロナにかかったとき、保健所からは「急変したら大変なので入院してください」と言われ、私は「介護者の付き添いがないと入院ができません」と告げました。翌日、保健所は付き添いを認めてくれる病院を探してきました。ただし、コロナの感染を防止するために、介護者の人数は2人に限定され、私と介護者は病室から出られず、2週間缶詰めになると言われました。私は普段の生活でも一日に2人から3人でローテーションを組んでいるため、2人の介護者が2週間も缶詰めになった場合、果たして療養が終わるまで介護者と私の体力が持つのか、過労で介護者がコロナにかかるのではないかと不安で、入院するかどうか悩んでいました。

(小見出し)私と知的障害者の友人への対応の違い
そんなとき、知的障害者の友人もコロナにかかり、緊急入院しました。その友人も重度訪問介護を利用しており、常に介護者の付き添いがなければ、他者とのコミュニケーションが取れない状態で、病院側に介護者の付き添いを認めてもらうように何度も交渉していました。しかし、病院側は介護者の付き添いを認めないどころか、本人の意思も聞かずに保健所へ転院先を探すように連絡してしまい、保健所からは「介護者の付き添いを認める病院なんて見つからないですよ。転院先の病院は障害者に慣れているから、介護者の付き添いは必要ない」と言われ、転院を強く迫られました。もし慣れている介護者と引き離されて一人で病院へ入れられたら、コミュニケーションが取れずに不安でパニックを起こしてしまい、すぐに薬を投与されたり、拘束されたりしてしまいます。知的障害者だからといって本人の意思を無視して転院させることは人権侵害です。まだ39度の熱があり肺炎も治っていないのに、あまりのひどい対応に私は耐えられず、私も熱で苦しかったですが、ベッドの上から電話で「保健所が私のために探してくれた病院に、知的障害者の友人を入院させてほしい」と、保健所と市役所に何度も交渉しました。しかし、保健所からは「木村さんのために用意した病室なので、他の人は入院できないと病院側に言われております」と言われ、断られてしまいました。その後、私の友人は、私よりもコロナの症状が重かったにもかかわらず、病院からは「そもそもうちは知的障害者を受け入れる病院ではない」と言われ、強制的に退院させられてしまいました。私への対応と、友人への対応がこんなにも違うことに言葉に表せないほどの怒りと悔しさを感じました。そんな悔しい思いの中で、私は自分よりも症状が重い友人をおいて、自分だけ入院することはどうしてもできませんでした。私は友人がうけた障害者差別と感染してしまったコロナに、共に戦うことを覚悟して、入院を断り、自宅療養を決断しました。

(小見出し)自宅療養中の介護体制・防護策
私が自宅療養でコロナを乗り越えるには、介護者の協力が不可欠です。しかし、コロナを介護者にうつしてしまうことがとても不安だったので、感染対策に細心の注意を払いました。濃厚接触者の介護者は3人いましたが、感染リスクを抑えるために、最初は一人だけ介護に入ってもらいました。しかし、2,3日経ち、介護者の疲労は激しく、一人だけで介護を続けてもらうのは無理なことを実感して、その後は二人体制で日中と夜間の交代で私の介護に入ってもらいました。
また、療養中は「ガウン、ヘアキャップ、マスク、フェイスシールド、手袋」を着用してもらって、常に部屋の換気を行い、部屋中を1日に数回アルコール消毒をして、介護で私の体に触れる場合は、触れる前と触れた後に必ず手と指のアルコール消毒を徹底しました。
(小見出し)私と介護者の心の葛藤
療養中、2人の介護者は、私と濃厚接触が避けられない関係性の中で、「自分が英子さんにコロナをうつしたのではないか」と罪悪感を抱いていました。そんなお互いが苦しい気持ちを抱えながらの療養生活でしたが、彼女たちは自分がコロナにかかる危険性よりも、私のコロナを治したいという思いで介護をしてくれました。お互いが苦しい中でおもいやり、感染対策を徹底し、幸いなことに、私は家族や介護者にコロナをうつすことはなく療養生活を終えることができました。彼女たちがいなかったら、療養生活を乗り越えることは不可能だったと思います。コロナの脅威を一緒に戦ってくれたことへの感謝の気持ちと同時に、介護者との関係が深まったことをとてもうれしく思っています。

そして、まだ十分には完治していませんでしたが、療養生活は1ヶ月半で切り上げ、4月14日から国会活動を再開しました。しかし、復帰後もしばらく後遺症で苦しみ、めまいと倦怠感、脱毛が3ヶ月以上続きました。

(小見出し)入院時の介護者の付き添いを断られる事例
私は自分がコロナに感染する前から、介護の必要な重度障害者の入院はますます厳しくなると予想していました。なぜなら平時でも、病院側に介護者の付き添いを認めてもらうのは困難だったからです。重度訪問介護では、入院時の介護派遣が可能となっていますが、自治体によっては認めないところもあり、また、病院側が完全看護などを理由に認めてくれない場合も多くあります。介護の必要な障害者は、入院の事態になったとき、たとえ病気で苦しい状態であっても、意識がある限りは市役所と病院側に何時間も交渉しなければならず、そのこと自体とても体に負担をかけて、病気が悪化することもあります。
それに加えて、このコロナ禍では、普段の入院とは違い、感染を防ぐために外部との接触は禁止されるため、入院時に介護者は付き添えず、隔離されてしまいます。私のように介護の必要な重度障害者にとって、なにより恐怖なのは命綱である介護者と引き離されることです。
 重度障害者の入院時においては、普段の状態とは違い、障害に加え、病気も重なり、より一層、慣れた介護者でなければ、入院生活を安心して送ることはできません。障害者本人の介護をしたことのない人が、本人の指示を聞かず、誤った介護をした場合、捻挫や骨折などの事故が起こる可能性があり、とても危険です。私の友人の中には誤った介護をされてしまい、骨折をさせられたり、言語障害を聞いてもらえず病気が悪化してしまったり、挙句の果てに亡くなってしまった友人もいます。議員活動の中で、介護者の付き添いを認めてもらえず困っている障害者の相談に対応するたびに、今でも亡くなってしまった私の友人を思い出してしまい、そのたびに悲しさと悔しさがこみ上げてきます。もう二度と、障害者の仲間の死を見送りたくはありません。

(小見出し)入院時の介護者の付き添いが認められるように
 ですから私は、このような状況を改善してもらうために、昨年12月の国土交通委員会の質疑において、このコロナ禍でますます入院時の介護者の付き添いを拒否されている厳しい現状を訴え、すでに出されている平成28年の「特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の入院における支援について」という通知を再度、周知徹底することを厚労副大臣に要望しました。そして、今年1月27日の厚労省の事務連絡「障害児者に係る医療提供体制の整備について」においては、新型コロナウイルス感染症対策推進本部も加わり、コロナ禍においても入院時の介護者の付き添いが可能なことが改めて周知されました。しかし、感染者が増加していき、自宅療養者や重症者が増えていく中で、通常の入院であっても、介護者の付き添いが必要な人は断られてしまうことが多く、やむなく自宅療養を余儀なくされ、亡くなってしまう障害者も出ています。このコロナ禍で、介護の必要な障害者にとっての入院は、極めて厳しい状況に置かれていることを受けて、厚労省は、障害福祉課、新型コロナウイルス感染症対策推進本部、医政局総務課・地域医療計画課の4部局から、「特別なコミュニケーション支援が必要な障害児者に対する医療機関における対応について」という通知を9月1日に発出しました。今回は各自治体に加えて、医療関係の団体にもこの通知を発出し、さらなる周知徹底が図られました。

(小見出し)困難は絶えないけれど
このコロナ禍の厳しい現状の中で、これらの通知を出してもらったことは、介護の必要な障害者にとって、とても心強いものとなりました。しかし、コロナ禍における重度障害者の置かれている現状は厳しく、いまだにコロナの完全な終息は見通せない中で、これからも障害当事者として介護が必要な障害者の現状とともに、障害者のコロナ対策を政府に訴えていきたいと思います。

令和3年1月27日付 事務連絡
障害児者に係る医療提供体制の整備について《抜粋》

発出先:各都道府県・保健所設置市・特別区 衛生主管部局、各都道府県・指定都市・中核市 障害保健福祉主管部局 
発出元:厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課 

1 障害児者の入院医療提供体制等について
○ また、行動障害のある児者や重症心身障害児者等の特別な意思疎通支援が必要な者が患者である場合には、特に当該者へのコミュニケーション支援に熟知している支援者によるコミュニケーション支援も重要である。このため、支援者の付き添いについても、衛生部局は障害保健福祉部局と連携し、医療機関に対して院内感染対策に十分留意しつつ、積極的に検討するよう促していただきたい。
○ なお、「特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の入院における支援について」(平成 28 年6月 28 日付保医発 0628 第2号)により、看護に当たり、コミュニケーションに特別な技術が必要な障害を有する患者の入院において、入院前から支援を行っている等、当該患者へのコミュニケーション支援に熟知している支援者が、当該患者の負担により、その入院中に付き添うことは差し支えないとされているところであり、これら取扱いについても、管下の医療機関へ周知いただきたい。
(タイトル)木村英子国会質疑
(見出し)国会質問10本の質疑に立ちました
①車いすユーザーのUDタクシー乗車について
②車いす駐車場のバリアについて
③障害者が地域で生きるための住宅確保について
④車いすのまま乗れる飛行機の実現を!
⑤特定河川浸水被害対策法等改正案「参考人質疑」
⑥特定河川浸水被害対策法改正案質疑「誰にでもわかりやすいハザードマップを」
⑦特定河川浸水被害対策法改正案質疑「避難行動要支援者のマイタイムラインと個別避難計画について」
⑧長期優良住宅法改正案質疑「長期優良住宅にバリアフリーの視点を」
⑨コロナ禍のGoToキャンペーンにおける障害者の生活への影響と現状について
⑩航空法等改正案質疑「ドローンの利活用の推進を障害者雇用の促進につなげるために」

(小見出し)福祉車両でも屋内駐車場を使えるように高さを改善!
現状、屋内駐車場は、2.1メートル以下の車しか入れないところが多く、2.1メートルより高さのある福祉車両を利用している障害者や高齢者の人たちが、ショッピングモールなどの駐車場を利用できずに困っていることを受け、実際にショッピングモールを視察。
そして、この問題を解決するために、バリアフリー法の建築設計標準の車椅子駐車場の天井高を2.3メートル以上と義務付けるように、建築設計標準の改定を要求。
改善→
高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準が改定!
車椅子使用者用駐車施設を屋内に設ける場合は、大型の車椅子用リフト付き福祉車両等の車両高さ(2.3メートル以上)に対応した天井の高さを確保することになりました。また、既存の駐車場や高さを確保できない駐車場でも、他に駐車できるスペースを確保するなど柔軟な対応をすることが盛り込まれました。

(小見出し)障害者の就労改善としてドローンを!
ドローンを就労につなげる取組を紹介し、様々な障害者にとってドローンが社会参加するための選択肢の一つとするために、障害を持っていてもドローンの免許がとれるよう、
①ドローンスクールの施設のバリアフリー化・合理的配慮の提供体制の整備、
②障害に応じたコントローラーなどの補助具の開発推進、
③障害を持っていても差別されないような制度設計を当事者を交えて検討すること、
の3つを要求。
改善→
今後の制度設計に当たり、ドローンが障害者の就労に結びつくように、①施設のバリアフリー化や、講習実施における障害者への合理的配慮について、国が事例を示し、必要な助言指導を行っていくこと、②障害を持った人でも使いやすいドローンの開発について、関係省庁と連携してメーカー側に働きかけるなどの対応を行うこと、③ライセンス取得の基準の検討に当たっては、障害者団体などの意見を反映させること、を約束いただき、実際に検討会での議論が始まりました。

(小見出し)車椅子のまま乗れる飛行機実現のため、関係機関との連携・対応を大臣が約束!
車椅子を利用している障害者が航空機を利用する場合、自分の身体の一部である車椅子を荷物として預けて座席に移乗しなければ乗れず、乗っている間も快適なフライトをできない問題を受け、アメリカで開発中である車椅子のまま乗れる飛行機の導入を早急に進めるように赤羽国土交通大臣に要求。
改善→
赤羽国土交通大臣が、車椅子のまま乗れる飛行機の開発・導入が促進されるような環境整備のために、アメリカなどの海外航空当局・関係省庁・メーカー・航空会社などとの連携をして検討していくことを約束してくれました。
(タイトル)改善項目
1年目より政府に求めていた要求に対し、大きく改善・前進した項目

(小見出し)車いす席増設新幹線 導入開始!
今までの新幹線の車いすスペースは通路にはみ出すといった問題や、1編成に2席しかなく、予約が取れないなどの問題を、木村英子議員が国会で問題提起。
改善→
赤羽一嘉国土交通相が「けしからん話」と応じてくれたことにより、設計標準が改定されていました。そして2021年4月中旬から、車椅子スペースを6席設置した新幹線車両 N700S が走り始めました。
実際に乗っている様子の写真+実際に乗車した障害当事者のコメント「夢のような乗車体験でした。デッキ内乗車が当たり前だった新幹線で電動車いすのままで窓際で車窓がみられて、ゆったりと座席取りできるなんて!)

(小見出し)障害者用トイレの広さについて改善決定!
車いす用トイレにたくさんの機能を詰め込んだことによって、スペースが狭くなり、リクライニング式の電動車いすや大型の車いすでは中に入れないなどの問題があることを受けて、広いスペースを確保したトイレとなるように、設計標準の改定を要求していました。
改善→
昨年立ち上がった検討会での検討を経て、2021年3月にバリアフリー設計標準が改定され、床面積2000平方メートル以上の建築物については、直径180センチ以上の回転スペースを確保することが盛り込まれました。

(小見出し)マンホールトイレ導入促進通知の発出
災害時の大きな問題の一つである、「障害者が避難所のトイレを使えない問題」について、段差がなく、便房を広く取りやすいので、車いすの方でも使いやすく、衛生的で、設置が簡単であるマンホールトイレの設置を促進するよう政府に訴えてきましたが、2020年10月23日付けで国交省と内閣府がマンホールト
イレの導入を検討するよう各自治体に通知を出しました。
(タイトル)重度訪問介護って?
(見出し)介護が必要な障害者の社会参加を阻む告示523号
(小見出し)	「告示523号」の問題が明るみになったきっかけ
私は重度訪問介護という制度を利用しながら、24時間介護者とともに地域で生活しています。重度訪問介護は、障害者総合支援法に基づき、重度障害者が地域で生きるために必要な“介護”を保障する制度です。障害者の施設収容が当たり前とされていた1970年代に、命がけで施設から地域へ出た重度障害者たちは、地域で生きるための介護保障を行政に訴える運動を半世紀にわたって続けてきました。こうした障害者運動と国の社会福祉制度の変遷とともに、障害者の介護保障制度は移り変わっていき、現在の重度訪問介護制度となっています。
重度訪問介護は、私を含め、介護を必要とする重度障害者にとって、地域で生きていくために欠かせない命綱の制度です。しかし、この制度は食事、トイレ、着替え、入浴など、家の中での介護は保障していても、外出時の介護は十分に保障していません。2019年に私が参議院議員に当選した際も、経済活動に係る外出時の介護に重度訪問介護を利用することができず、就労中の介護が国から保障されていない現実がメディアを通じて明るみになりました。結局、議員活動中の介護費用は暫定的に参議院が負担していますが、介護が必要な多くの障害者の人たちは、働きたくても介護制度を利用して働くことが許されない現状です。すべての原因は、厚生労働省が出した告示523号にあります。
(小見出し)	厚生労働省の「告示523号」における社会参加を阻む条文
障害者自立支援法施行後の2006年9月29日に出された厚生労働省の告示523号によると、「重度訪問介護(第2)」は、就学就労・余暇活動などの社会参加に伴う外出時には利用できないことになっています。この条文は、重度訪問介護だけでなく、視覚障害者への外出時のサービスを提供する「同行援護(第3)」や、知的障害者や精神障害者への介護サービスに特化した「行動援護(第4)」も対象となっています。つまり、介護を必要とする障害者の社会参加がこの告示によって大きく制限されています。

(小見出し)厚生労働省告示523号
第2 重度訪問介護
1 重度訪問介護サービス費
イ 重度訪問介護の中で居宅における入浴、排せつ又は食事の介護等及び外出(通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出を除く。以下この第2、第3及び第4において同じ。)時における移動中の介護を行った場合
(1) 所要時間1時間未満の場合 185単位

(小見出し)主な外出の制限内容
①	通勤、営業活動等の経済活動に係る外出:就労全般
②	通年かつ長期にわたる外出:就学や習い事など、長期にわたって定期的に通う活動全般
③	社会通念上適当でない外出:政治活動や宗教活動、飲酒を目的とした外出など、自治体が「社会通念上適当でない」と判断した外出
介護が必要な障害者が地域で生活するために、居宅内での介護や、買い物などの外出時の介護は認められています。しかし、就学・就労はもとより、自治体によっては、「政治活動」「宗教活動」「飲酒を伴う外出」等に伴う介護も認められていません。
(イラスト)重度訪問介護で認められていないこと例:飲酒を伴う外出、政治活動、宗教活動

これらの制限が介護を必要とする障害者の人権を侵害している!

憲法では、基本的人権として「移動の自由」「政治活動の自由」「宗教活動の自由」「表現の自由」「自己決定権」「幸福追求権」といった様々な権利が保障されていますが、厚労省が定めた告示523号によって、介護が必要な障害者が社会参加するためのこれらの権利が奪われている現状にあります。
これらの現状を改善していくために取り組んでいきます。
(タイトル)激動の1年を振り返って
施設と養護学校で育った私が、国会へ行くことは、19歳で施設から地域へ出るときと同じくらいの勇気が必要でした。それでも、私自身を含め、多くの仲間たちの差別されてきた怒りや苦しみ、そして未来への希望に背中を押され、議員となって2年が過ぎました。
この1年の活動では、自治体によっては介護制度(重度訪問介護)の誤った運用によって介護内容や時間数を制限されたり、コロナ禍の人手不足や感染対策を理由に、事業所からヘルパーの派遣を打ち切られたり、各地からの相談が後を絶たず、そのたびに当事者と一緒に行政と闘ってきました。また障害者にとっての社会的バリアがたくさんある中で、私は現在国土交通委員会で、交通や住宅、災害対策におけるバリアの解消に取り組んでいます。新幹線の車いすスペースや車いす用トイレの改善が進み、障害当事者の方から喜びの声をいただいて本当にうれしく思っています。
私が議員になって一番成し遂げたいことは、介護が必要な障害者の社会参加の権利を保障するために、厚労省の「告示523号」を撤廃し、就労や就学、余暇活動など、あらゆる場面で利用できる介護制度を実現すること、そして障害者と健常者が共に生きていける社会を作るために、幼い時からわけないで共に学びあえるインクルーシブ教育の実現です。これからも頑張っていきますので、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

以下のリンクからダウンロードして印刷すると冊子になります。

【ルビつき】えいこのかけはしだより2021年秋号-B3ダウンロード

\シェアしてね!/