【議事録(抜粋)】
○仁比聡平君
そのように、仮放免や、あるいはその取消し、延長の拒否によって再収容するということをまるで武器のようにして無理やり帰国させると。これはノン・ルフールマン原則に反するというのが多くの研究者の皆さんの声だと思うんですよね。
私は、そうした実態について発議者がどんなふうにお考えになるのか、私の持ち時間があと2分になって申し訳ないんですけど、木村発議者にお尋ねしたいと思います。
○委員以外の議員(木村英子君)
難民申請者の方が今も命を奪われるかもしれない本国に送還されてしまうのではないかという不安な日々の中で暮らしている現状に私自身の経験が重なり、恐怖を感じました。それは、幼いときから施設に預けられ、閉鎖された中で虐待を受ける生活に耐えられず、19歳のときに地域へ飛び出してきた私にとって、やっとの思いで築いてきた38年間の地域での生活が、介護者がいなければ即施設に入らざるを得ない現状があるからです。
私にとって施設へ戻されることは墓場に入れられるのと同じ恐怖を感じます。難民認定を待つ人たちにとっても再収容や強制送還は墓場に入れられるのと同じくらいの恐怖だと思いますし、生きる意欲すら奪われてしまうと思います。ですから、現在、日本で難民認定を待っている外国人の人たちに対していつ強制送還されるのか分からない恐怖を与え続けている入管行政の人権意識のなさに恐怖と怒りを感じます。
命以上に大切なものはありません。その命が祖国に帰され危険にさらされるとしたら、国連からも勧告を受けているように、この日本でその恐怖を抱いている難民の方々を保護し、安心して暮らせるようにすることが最も大切であり、日本の役割だと思います。
難民申請をしている外国人の方の生活と命を守るために、野党4会派で提出した法案を成立させることが必要だと私は強く感じます。
以上です。
○委員長(杉久武君)
お時間になりましたので、質疑をおまとめください。
○仁比聡平君
ありがとうございました。
時間がなくなりましたので、是非次の質疑を続けさせてもらいたいと思います。
政府案が送還停止効をなくすというその例外、3回目以上であっても認めるよと言っているのは、申請に際し、難民の認定又は補完的保護対象者の認定を行うべき相当の理由がある資料を提出した場合と言うんですよね。その相当性を判断するのは誰かと、それは入管庁ですとずっと言い続けているんですから、そんな法案は断固廃案にするほかないと、野党対案を何としても実現をするというために全力を尽くしたいと思います。
ありがとうございました。