コロナの後遺症の可能性も… 筋痛性脳脊髄炎を知っていますか?

 新型コロナウイルスが、日本国内で少しずつ収束の方向に向かっていますが、後遺症として、「筋痛性脳脊髄炎(きんつうせいのうせきずいえん)」を発症する可能性があることを皆さんはご存じでしょうか。
 「筋痛性脳脊髄炎」の特徴は、日常生活のごく簡単な活動や知的作業を行うだけでも、急激に体が衰弱し、痛みなどの症状が悪化し、人によっては何日も寝込んでしまい、体調の回復に非常に時間がかかることです。
 この病気は、WHOでは神経系の疾患とされており、睡眠障害、頭痛、思考力低下、筋力低下、激しい倦怠感、音や光への過敏症などの多岐にわたる症状があり、日常生活すらままならなくなってしまう人もいます。
 しかし、現在、日本では、「慢性疲労症候群」と呼ばれ、ストレスが主な原因の疲労の病気と誤解され、医療従事者からは「ただ怠けている」と判断されることが多く、なかなかこの病気に対する理解が進んでいないのが現状です。
 そのため、この病気の患者の多くは、病気の症状に加え、偏見と誤解に苦しんでいます。
 この病気は、世界ではウイルス感染後に発症するという研究結果が出ており、コロナウイルスであるSARSやMERSでも、完治した患者の一部がこの筋痛性脳脊髄炎を発症した例が多数見られます。米国や英国では、新型コロナウイルス感染症完治後に、この筋痛性脳脊髄炎を発症する可能性が指摘され、警鐘が鳴らされています。
 過度に不安になる必要はありませんが、今後日本で筋痛性脳脊髄炎の研究をさらに進めていくことを推奨していきたいと思います。
 研究推進のために活動をしているNPO法人「筋痛性脳脊髄炎の会」が、新型コロナウイルス感染症回復後も体調不良が続いている方々へのアンケート調査を行っていますので、ご協力をお願いいたします。

アンケートはこちらのサイトです→ NPO法人「筋痛性脳脊髄炎の会」によるCOVID-19後の体調不良についてのアンケ―ト

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