2023.12.5 参議院 国土交通委員会「障害者割引乗車券のウェブ購入 なぜマイナンバーカードがないと買えないの?」

○木村英子君 
 れいわ新選組の木村英子です。
 本日は、JR東日本、西日本が来年春から開始する障害者割引乗車券のウェブ予約、決済のサービスについて質問いたします。
 障害者の社会参加には、健常者と同様に交通機関の利便性は不可欠ですが、まだまだ、いつでもどこでもバリアを感じずに安心して電車を利用する状況には至っていません。

 資料1をご覧ください。

 ここには、JR東と西で来年2月に開始される障害者割引乗車券のウェブ予約サービスにおいて、マイナンバーカードが必須であることが書かれています。障害者が電車を利用する際、障害者割引の乗車券をウェブで予約できるようになることはとてもうれしい限りですが、しかし、なぜマイナンバーカードの取得が必須の条件になっているのでしょうか。
 マイナンバーカードの取得は義務ではないはずですが、マイナンバーカードを持っていない障害者の場合はどういう方法で乗車券を購入したらよいのでしょうか、お答えください。

○政府参考人(村田茂樹君)
 お答え申し上げます。
 ご質問いただきましたマイナンバーカードを取得されていない利用者の方におかれましては、これまでと同様にJRの駅の窓口におきまして障害者割引乗車券を購入することとなると承知をしております。

○木村英子君
 おかしいと思います。車いすユーザーとして、私はちょっとそこは納得できないところがあります。
 障害者の人たちが乗車券を買いやすくするためにウェブでの予約ができるサービスということで始まるそうですけれども、マイナンバーカードを持っていない障害者が利用できないサービスをJR東日本や西日本が進めることは、誰一人取り残さないという国交省の理念から外れていると私は思います。
 障害者は、ふだんからバリアがたくさんあって、鉄道を利用しづらい状況にあります。その上、ここ数年、JR各社のみどりの窓口が減らされており、障害者割引の乗車券などを購入するのが非常に困難な状況にあります。

 資料2をご覧ください。


 JR東のみどりの窓口の例を挙げた場合、みどりの窓口設置数が最も多かった2000年度の742駅から、2021年5月には440駅、2022年4月時点では364駅まで減っています。さらに、JR東は今後2025年までに140駅程度に減らす方針を打ち出しており、ますますみどりの窓口は減っていき、駅を利用しづらい状況に拍車を掛けています。

 また、資料3をご覧のとおり、駅での待たされる問題も解消がされるどころか人員削減によってますますひどくなり、車いすの人が最寄りの駅からみどりの窓口に行くまでに、駅員が対応できず、乗りたい電車に乗れなかったり、駅で長時間待たされ、目的地に着くまでにとても時間が掛かるのは当たり前の状況になっています。

その上、みどりの窓口に着いてからも30分から1時間待たされることが多く、割引切符を買うために自宅からの往復で半日掛かるときもあります。
 ですから、車いすを利用している人は、駅で待たされることも想定した上で予定を立てないと時間どおりに目的地に着けないことも多々あります。
 最近では、人員削減により、電車を利用する前に連絡をしないと駅員が対応してくれない駅が増えてきました。障害者にとっては、このような状況では体力的にも精神的にも負担が多く、楽しいはずの旅行が、行く前からのバリアの多さに外出を控えてしまう人もいます。実際に私の元に相談に来られた障害者の方からは、窓口がなくなって、券売機に1時間以上並べさせ、挙げ句、駅員から車いす座席に対応できるか分からないと言われ、結局その日には買えずに、翌日にまた駅に行かなければならなくなったとか、みどりの窓口が次々と閉鎖され、最寄りの駅には窓口がなくなり、遠くの駅のみどりの窓口に行かないと乗車券が買えなくなったなどの悲痛な声が後を絶ちません。
 障害者が乗車券をウェブで購入するためにマイナンバーカードが必須になってしまうと、マイナンバーカードを利用している人と利用していない人の格差が生まれ、取り残されてしまう障害者の人が出てきてしまいます。
 マイナンバーについては現在様々な問題が指摘されていますが、障害者の方については、今年6月20日に静岡県で障害者手帳の情報が62件も他人のマイナンバーにひも付けられていたことが明らかになり、その後もマイナンバーに別の人の障害者手帳の情報が誤ってひも付けられるケースが相次いだことを受けて、厚労省は全ての自治体を対象に総点検を行うよう指示を出しています。

 資料4の11月9日のマイナンバー情報総点検本部の資料やその後の報道によると、合わせて5000件以上ものひも付けのミスがあったことが判明しています。

障害者にとっては、障害者手帳はその人のプライバシーそのものです。他者の支援を必要とする障害者にとって、より不安が大きくなり、マイナカードを取得することをためらう方が多くいます。

 資料5をご覧ください。


 実際に障害当事者からもマイナンバーカードを条件にすることへの懸念が示されており、日本障害者協議会の藤井代表は、便利になることは良いが、障害者の間で格差ができる可能性があるサービスを社会性の高い公共交通機関がつくるのは良いことではない、マイナンバーカードを使わずに同等のサービスを受けられる方法を考えることはできるはずだという意見が述べられています。また、同じ記事では、障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会の家平事務局長が、マイナカードを取得できない障害者もいるのに取得が前提で社会が進んでいる、そういった仕組みが事業者で広がっていくと排除されている感じがする、本来は障害者にとって便利になるサービスのはず、公共交通機関なのでなるべく全ての人が使えるような設計をしてほしいとも言っています。
 このように、公共交通機関である鉄道において、サービスを受けるためにマイナンバーカードを必須の条件とすることは、国交省の対応指針にもあるように、障害者でない者に対しては付さない条件を付けることに当たり、対応指針にも反していると私は思います。
 ですから、国交省として、来年春に開始されるウェブ予約に当たって、マイナンバーカードを利用している人と利用していない人の格差を生まないためにも、マイナンバーカードを取得していない障害者が安心してウェブ予約による鉄道が利用できるように、何らかの方策を立てて選択肢を広げるようJRに働きかけをしていただきたいと思っています。
 例えば、ウェブでの本人確認については、クレジットカードや銀行口座を作る際などに身分証明書を写真でアップロードする方法も一般的ですし、航空会社や一部の映画館ではマイナンバーカードがなくても障害者割引のチケットを買えるようにしています。そういった事例を参考にしつつ、障害者手帳や写真をウェブに登録するような方法なども検討していただき、取り残される障害者が出ないようにしていただきたいと思います。
 このサービスは2月に開始されるので、サービス開始までに間に合うようにJR各社に対し早急に働きかけをしていただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(村田茂樹君) 
 お答え申し上げます。
 政府全体の取組といたしまして、令和2年12月25日に閣議決定されたデジタル・ガバメント実行計画におきましては、民間手続においても、障害者の負担軽減や均等な機会の提供のため、オンラインによる施設等の障害者割引入場券の予約、購入等への対応について、民間事業者等に対して要請を行うと記載されております。
 このような手続のオンライン化に当たっては、マイナポータルとの連携によりウェブ上で障害者手帳を確実に確認することができるため、国土交通省としては、マイナポータルとの連携を含め、予約、購入のオンライン化対応を、済みません、失礼しました、オンライン化対応を図ることについて、鉄道事業者に対して検討を要請してきたところです。
 このような状況を受け、JR東日本は来年2月から、またJR西日本は来年春から、マイナポータルと連携したオンラインにより障害者割引乗車券をお申し込みいただけるサービスを開始することとしております。
 政府におきましては、マイナンバーカードにつきましては関係機関が連携して取得の促進や普及に取り組んでいるところでございますが、議員ご指摘の点につきましては、鉄道事業者の責務といたしまして、障害をお持ちの方を含め、利用者利便の確保や向上について常に検討していくことは重要と考えており、マイナンバーカードをお持ちでない障害者の方への対応についても、JRにおいてその一環として考えるよう促してまいりたいと思います。

○木村英子君
 ウェブでの予約の事業については来年2月から始まるということですので、それに間に合うように早急にJR各社に働きかけをしていただきたいと思っています。
 また、今後のeチケットのウェブ予約などの新たなサービスについても、マイナンバーカードの取得が困難な障害者が取り残されないように何らかの方策を検討していただき、利用できるように配慮していただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
 以上で質問を終わります。

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