2023.6.6 参議院 国土交通委員会 空き家対策特措法改正案質疑 「誰もが安心して暮らせる住まいの確保を!」

【議事録】

○木村英子君
 れいわ新選組の木村英子です。
 本日は、住宅の確保に困難を抱えた人たちの住宅確保に向けた空家の活用について質問いたします。
 今回の空家対策特措法の改正案では、特定空家とならないように事前の管理や活用を促進することを目的として、推進することを目的として、空家等管理活用支援法人を指定していくことで空家の所有者からの相談体制の構築を図るものとされています。
 一方で、障害者や高齢者、一人親家庭、LGBTQなどの、住宅を借りたくても差別や偏見など理解が進まないことで住宅を借りにくい現状を抱えている人たちの問題がまだまだ解決されていません。
 人口減少による空家が増えていく中で、空家の維持管理の強化だけではなく、障害者や高齢者、一人親家庭、LGBTQや児童養護施設退所者など、住宅確保要配慮者への住宅確保と空家の利活用をつなげていくことが重要だと考えます。空家を国交省が推進しているセーフティーネット住宅として活用していくことで、空家対策にもなりますし、家を借りたくても借りることが困難な人たちの住宅確保にもつながると考えますが、国交省のお考えをお聞かせください。

○政府参考人(塩見英之君)
 お答え申し上げます。
 今後、空家が更に増加していくことが見込まれております中で、これまでも進めてきました空家の除却等だけでなく、空家の有効活用なども含めて総合的に取り組むということが必要となってございます。また、住宅の確保に配慮が必要な方の居住の安定確保、これにも一層取り組むことが重要でございます。その意味で、空家をセーフティーネット住宅として活用するということは、既存ストックの有効活用と住宅確保要配慮者の住まいの確保と、こういう両面から意義が大きいものと考えてございます。
 今回の法案では、市町村が活用促進区域というものを設定をし、空家の活用指針を定めますとともに、空家を一定の用途に活用するよう所有者に要請できる仕組みを創設いたします。この仕組みを活用し、都道府県とも連携の下で、戸建てを含めまして、市町村や支援法人から所有者に対しまして空家をセーフティーネット住宅として活用するよう要請するということなどで、登録住宅の拡大を図り、多様な住宅確保要配慮者の住宅確保に努めてまいりたいというふうに存じます。

○木村英子君
 ありがとうございます。是非早急に進めていただきたいと思います。
 しかし、現在、住宅セーフティーネット法に基づいて登録されている住宅戸数は全国で85万戸ありますが、住宅確保要配慮者への専用住宅としての登録件数ですけれども、約5000戸しかありません。住宅確保要配慮者の人たちを救うためには、5000戸では余りにも少な過ぎると思います。
 住宅確保要配慮者向けの専用住宅については、今後増やしていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(塩見英之君)
 お答え申し上げます。
 セーフティーネットの専用住宅は入居者の資格を住宅確保要配慮者等に限定している住宅でございまして、今年3月末時点で約5300戸が登録されてございます。
 一方、専用住宅以外のセーフティーネット住宅は、賃貸人にとりますと、専用住宅よりも入居者を確保しやすい、セーフティーネット住宅としての登録に理解を得やすいという状況がございます。その数が増えますと要配慮者の方々の入居機会の拡大にもつながるという側面がございます。要配慮者の方がより円滑に住まいを確保できるようになりますには、専用住宅はもちろんでございますけれども、セーフティーネット住宅全体の登録を更に増やすということが必要であろうかと思っております。
 このため、令和5年度予算におきまして、専用住宅を対象とした改修費、家賃低廉化への支援、これらを充実いたしますことで専用住宅の登録を一層促進をすることにしております。あわせて、地方公共団体等とも連携をして、賃貸人への働きかけを行うことでセーフティーネット住宅全体の登録促進についても努めてまいりたいと存じます。

○木村英子君
 ありがとうございます。専用住宅についても増やすよう今後お願いしたいと思います。
 ただ、LGBTQの方や児童養護施設退所者の人など、住宅確保に困っている人がいるにもかかわらず、この方たちが取り残されているといった状況にあります。
 資料1をご覧ください。


 左側には、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を養育している者が法律に要配慮者として明記されています。そして、右側には、外国人等や東日本大震災等の大規模災害の被災者が省令に定められています。しかし、LGBTQの方や児童養護施設退所者の方たちなど、法律や省令に定められてはおらず、各自治体の裁量で追加されるため、住む地域によって救済される人とされない人の格差が生じています。
 なぜLGBTQの方や児童養護施設退所者の方たちなどは住宅セーフティーネット法や省令に明記されていないのでしょうか、お答えください。

○政府参考人(塩見英之君)
 お答え申し上げます。
 まず、住宅セーフティーネット法に定めます住宅確保要配慮者であるか否かということにつきましては、法律で書かれている方も、また法律に基づき省令で定められている方も、そして省令に基づいて自治体の計画で定められている者も、いずれも要配慮者であるということについての違いはないところでございます。
 その上で、現在の省令で規定をしております要配慮者、これは省令で規定しております要配慮者につきましては、平成29年の住宅セーフティーネット法の改正の際に、当時の他法令におきまして居住の安定等に関する規定が置かれているというような場合に当該法令の定義規定等を引用する形で要配慮者を各号列記したというものでございまして、当時関係規定がなかったLGBTQの方や児童養護施設退所者の方につきましては省令に位置付けられていないという経緯でございます。

○木村英子君
 他の法令に定められていないからこそ、そこからやっぱり取り残されてしまう人が出てくると思います。ですから、住宅セーフティーネット法や省令に明記するということが大切かと思います。
 資料2をご覧ください。


 2020年12月の沖縄の記事ですが、「県内の不動産業者が賃貸物件の契約に関する同意書に『LGBTの方は原則お断りします』と明記し、性的少数者らや、入居を拒否していた」との報道がありました。このような差別や困難を抱えているにもかかわらず、沖縄県ではLGBTQの方は住宅確保要配慮者には入っていません。


 また、資料3の記事では、「一般的な二人入居OKの物件は、夫婦や兄弟姉妹など家族であることが前提です、家族であることが前提です。同性カップルは家族とは認められず、物件の選択肢が極端に少なくなります。また、収入では特に問題がないのに、同性カップルを理由に、『ゲイの人が住んでいるとは、ことは近隣の住民に説明できないから』などといったとんでもない偏見を理由に審査の段階で断られたというものも実際にあった話です」と書いてあります。
 LGBTQの方たちの住宅確保が難しい現状にあることが分かります。こうした状況によって、資料3の図のとおり、多くのLGBTQ当事者は不動産会社に行くことに常に不安を感じています。


 資料4は、追手門学院大学の葛西准教授がLGBTQ当事者の方に取ったアンケート結果ですが、男性同士ということで入居を断られたり、親戚ですと偽って入居せざるを得なかったなど、当事者の困難を訴える声が載っています。
 また、児童養護施設を退所した方の場合、施設を退所するときの部屋探しは施設長が保証人になってくれることが多いのですが、次に引っ越しをする際には保証人を見付けられずに住む場所を確保することが難しい状況に置かれている人も少なくありません。
 私自身も地域に出てきたばかりのときに家探しをしていましたけれども、不動産屋の前に行くと、うちは障害者はお断りだよと言われて門前払いされたり、車いすの人は家の中を傷つけたり火事を起こすから危ないと言われ、なかなか家を貸してくれる大家さんが見付かりませんでした。
 しかし、地域で暮らす障害者の方が少しずつ増えていく中で、障害者権利条約の批准や障害者差別解消法の施行がされてきたことで少しずつ理解が進み、改善されてきた部分もありますが、まだまだ差別が解消し切れていないので、いまだに家探しは苦労している人たちがたくさんいます。
 そうした現状において、法律や省令にさえ明記されていないLGBTQの方や児童養護施設退所者などの方たちは、なおさら家が借りにくい状況です。住まいは誰にとっても権利であり、住まいなくしては生活することはできません。
 今年3月に国連の人権理事会に参加した中谷総理補佐官は、性的指向、性自認を理由とする不当な差別や偏見は決して許されません、日本は、多様性を尊重し、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、自分らしい人生を送れる社会を実現しますと述べているのですから、法律や省令に明記して一刻も早く救済すべきだと考えます。
 全国どこでも暮らせるように、そして同じ配慮を受けられるように、現在各自治体の判断に任せているLGBTQや児童養護施設退所者などの方を法律や省令に明記するべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君)
 委員ご指摘の方々、LGBTQ、また児童施設退所者でございますが、先ほど局長から答弁申し上げましたように、既にほとんどの都道府県において、その定める供給計画に住宅確保要配慮者として位置付けられ、入居を拒まないセーフティーネット登録住宅の対象者となっております。LGBTQについては44、児童養護施設退所者については45ということで、まだそれぞれ3県、2県、まだです。こういうところには、我々、国土交通省としてもしっかり意見交換をして対象とするようにしていきたいと思います。
 その上で、国の省令で要配慮者として位置付けるかについては、現在議論が行われているLGBTQの方の関連法案などの動向や、児童施設退所者の居住の安定等に関する法令上の位置付けを踏まえるとともに、大半の都道府県で供給計画に要配慮者として位置付けられていることを勘案し、今後、関係団体とのヒアリングなどを行って対応の在り方を検討してまいりたいと、このように考えております。

○木村英子君
 是非、法令に入れていただくことを早急に検討していただきたいと思います。
 LGBTの方々への配慮については、国連からも何度も勧告を受けていますけれども、しかし、国内では全く法整備が進んでいないといった状況に近いと思います。むしろ、差別や偏見による入居拒否が多く、生きづらい当事者がたくさん存在します。ですから、LGBTQの方たちの差別解消に向けての取組が早急に必要だと思います。
 障害者の場合は、差別解消法の改正によって、令和6年4月から、民間事業者の合理的配慮の提供が義務化される予定となっています。そのため、賃貸住宅管理業や大家さんが差別解消に基づく対応指針の中に明記されることとされています。また、外国人の方についても、民間賃貸住宅入居円滑化ガイドラインが国交省から示されています。
 このように、住宅確保要配慮者が安心して住宅を探し、住めるように、国交省として取組が進められているところです。
 国交省は、バリアフリー法で心のバリアフリーを掲げているのですから、LGBTQの方たちなど、制度から取り残されている人たちに対しても理解を促進するための啓発が必要だと考えます。例えば、国交省が作っている大家さん向け住宅確保要配慮者向けハンドブックに記載するなど、国交省として住まいの権利を保障するための具体的な方策を検討していただきたいと考えていますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(斉藤鉄夫君)
 そのとおりだと思います。
 セーフティーネット住宅の増加に向けては、要配慮者の住宅確保の必要性を賃貸人に意識していただくことが重要です。
 住宅セーフティーネット制度では、居住支援協議会の仕組みを設け、国の補助も受けつつ、自治体、居住支援団体、不動産関係団体などが連携して、要配慮者の住宅確保を支援しております。賃貸人の関係団体を構成員とする協議会では、近年、障害者などの住宅確保の必要性を啓発する研修が増加しております。
 また、協議会以外の場におきましても、国が支援するセミナーにおいて、外国人や孤独死が心配される単身高齢者などの住まいの安定について啓発に努めてまいりました。
 こうしたこれまでの取組に加え、協議会の更なる設立促進によって協議会における研修の機会を拡大するとともに、国が支援するセミナーにおいても、賃貸人への啓発を拡大する方向で検討してまいります。御提案のハンドブックへの記載等についてもこれ前向きに検討していきたいと思います。

○木村英子君
 ありがとうございます。
 誰一人取り残さない社会の実現に向けて、法律とか省令から取り残されている人々が安心して住宅を確保して生きられるように、早急に検討のほどお願いいたします。
 以上で質問を終わります。

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