【議事録】
○木村英子君
れいわ新選組の木村英子です。
本日は、先生方のお話を聞く機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、障害者の立場から参考人の先生方に質問させていただきます。
誰にとっても社会活動のために交通インフラの整備は重要ですけれども、障害者にとっては、電車、バス、タクシーなどの公共交通機関はバリアフリー化や合理的配慮が進まずに、移動の権利が十分に保障されているとは言えない状況にあります。そのため、就労や就学、余暇活動など、あらゆる場面で交通機関が整っていなければ、社会生活が円滑に行うことができません。
このような状況の中で、自動車での移動が必要な障害者や高齢者にとっても高速道路は社会参加を助ける重要なインフラですが、今回の道路整備特別措置法の改正案では2115年まで有料期間を延長するとされています。道路は誰でも無料で利用できるという無料公開の原則があり、高速道路はこの無料公開の特例と位置付けられていますが、このように何度も利用料の延長を繰り返し、自動車ユーザーに負担を掛ける政府の対応は信用できるものではありません。原則に従って早期に無料化するか、又は料金の引下げを行うかを検討すべきだと私は考えています。
そこで、根本先生にお聞きします。
政府は2115年には高速道路を無料化すると言っていますけれども、その時点の社会状況は誰にも予測はできません。また、税金や社会保障の国民負担率が50%近い数字になっており、昨今の物価高騰も併せて考えると、かなり国民負担を生んでいる中で、現在自動車を使っている人が無料化の恩恵を受けるということもありません。
先ほど根本先生は、自動車の高速料金は高いとおっしゃっていました。道路は公共のものですので、高速道路の料金については92年後の完済を待たずに無料にすべきだと思いますが、無料化がもしすぐできないとしても、現役世代の利用者の負担を少しでも軽減するためにはどういった方法が考えられるのか、根本先生のご意見をお聞かせください。
○参考人(根本敏則君)
乗用車の高速道路料金は高いというふうに私言いましたけれども、無料にした方がいいとは言っていません。
私は、無料と有料だと、これは有料の方がいいと思っています。無料というのは無駄を生みます。ありとあらゆるものは、無料で提供できるものはないんですね。ちゃんとその使う人にどれだけ費用掛かっているかを理解させるためには、料金が重要なんです。ですから、なるべく負担が低い方がいいというのは、それはうそです。ちゃんと掛かった費用を教えてあげるべきなんです。
先ほど来のサブスクリプションの議論もありました、定額制の議論もありましたけれども、マーケティングの方法として、お客さんを囲い込むために、会費を払ったらあとは郵送料ただというのはよくやりますよね。そうすると、その実際に運んでくるときの費用掛かっていることが全然意識されなくなって、無駄がいっぱい起きるわけなんです。やっぱり、その都度その都度掛かっているお金というのが分かるようにするということが大事で、それが無駄を防ぐんです。
そういう意味では、無料にする、安くするといったって、その掛かった費用はちゃんと払ってもらいましょう、更新費用が掛かるわけですからその部分ちゃんと払ってくださいということで、これは、道路は無料にはしない方がいいというのが私の考えなんですね。
○委員長(蓮舫君)
木村英子さん。
○木村英子君
すみません。
次に、近藤先生にお聞きします。
近藤先生の著書や、まあ本日のご説明の中でも、未来を見据えたご提案がたくさんされているかと思います。
ご指摘によれば、現在の高速道路の料金は、高額な利用料、そして運転手の健康被害、過疎化の促進、巨大インターチェンジを必要とし渋滞を生み出すなどのデメリットを生み出しているとありました。一方、先生の提案している高速道路の利用料金を400円程度の負担の少ない定額制にすることで、国内旅行などの需要が生み出され経済が活性化する、物流コストを下げる、出口の料金所がなくなることで渋滞が解消されるなどのメリットが生じるという考えはとても画期的だと思いました。
近藤先生のご提案の定額制に移行した場合のデメリットというのはないのかどうかをお聞きしたいのですが、教えていただけますか。
○参考人(近藤宙時君)
デメリットでございますけれども、多くの方が混むんじゃないかというふうにおっしゃる。これはかなり聞いたことがございますし、それ以外のデメリットとしては余り聞いたことがないんですけれども、混むんじゃないかというのは確かにそうかもしれません。
ということは、逆に言いますと、利用が増えると国交省さんを始めほとんどの方が思っていらっしゃる。だったら、国民の財産の利用が増えるということはいいことではないか、企業で売れ過ぎて困るということを心配する企業があるかと、言ったら生産量を増やしゃいいわけですので。
そういった点も、定額制、今すぐというと若干渋滞で困る点が出るかもしれませんけれども、定額制にした場合、どこのインターチェンジがどれほど混むかというのは簡単にシミュレーションできる話でございますので、2、3年の後で定額制をするというのを前提にシミュレーションしていただいて、頭のいい方が、こことここに出口を付ければ、ここの入口を付ければ渋滞が減る、あるいは一車線増やせば渋滞が減るというような計算はできるのではないかと。
そういうような政策をした上で定額化すれば問題なく移行できるのではないか。もし弊害があるというなら、弊害を恐れて実効性のある政策を打たないというのは大変もったいない話でございまして、デメリットがもしあるとお考えの機関等があったら、その点も含めて是非シミュレーションをしていただければなというふうに思います。
また、定額制、使っただけと言いますが、では逆に国道はなぜただなのかというのにお答えいただけるでしょうか。定額制というのも一つの手段として有効にあるというふうに思います。
私の娘、同じく障害者でございまして、毎日電動車いすに乗っておりますが、そういった者もやはり高速道路の方が疲れずに通行できます。そういった、高速道路を定額制にすることで、より国民のための高速道路を全ての国民のために提供できるという方法の一つではないかというふうに思っております。
○木村英子君
ありがとうございます。質問の参考にさせていただきたいと思います。
最後に、長谷川先生にお話をお聞きしたいと思います。
先ほどの意見陳述で、温暖化対策のための環境への配慮をしたEV車の推進、そして鉄道輸送への転換をすべきであるとおっしゃっておりまして、高規格幹線道路の建設は見直すべきとのご意見もおっしゃっていました。環境に配慮することは当然私も必要だと思っていますが、私の場合、重度の身体障害者ですから、移動には大型の車いすが乗れるリフトカーが必要なことから、自動車の利用は生活する上で不可欠であります。
ですから、高速道路も当然必要ですが、近隣住民の方の生活環境とかあるいは自然環境にも配慮した上で高速道路を活用していくためにはどのような対策が考えられるのかということを長谷川先生にお聞きしたいと思います。お願いします。
○参考人(長谷川茂雄君)
車が駄目だというふうに私は言っているわけではないんですけれども、温暖化対策としてなぜ日本が駄目なのかというと、ヨーロッパでは全て電動、電気自動車、純粋なEV車を温暖化対策として使いましょうということが決められて、それに基づいて各メーカーもそういう対応をしていますけど、日本では、自動車工業会などの筆頭をされているような大手自動車メーカーがガソリンの燃焼を含むハイブリッド車を今まで造って売ってきたので、それをメーンにやってほしいというそういう業界の意向を受けて、国の温暖化対策がCO2を出し続けるハイブリッド車を優先するというのが私はおかしいということを言いたいというふうに思っています。
あと、障害者の皆さんのその移動の自由をきちんと確保すると、移動の機能をきちんと確保するということでいうと、きちんとその料金体系なども、きちんと障害者の方々は基本はバリアフリーでどこでもいつでも使えるというような、そういう料金設定をきちんと徹底、国がそういう方針をきちんと明示して、各道路会社がそれに従った対応をしてもらうのがいいのではないかと。
あと、近隣住民との関係は、これはなかなか難しいというふうに思います。地方だと山林とかそういうところを削って道路ができるわけですけれども、一部住宅街とか都市部だと、そこに住んでいる方々を立ち退かせないと要は道路できないということでありますので、その場合には、やはり、最初、幾つか、この間、この議論の中でもありましたように、きちんと必要性やその客観的な評価をきちんと造る側が説明して、住民の方に納得していただいた上で、きちんとその立ち退く方のその後の生活再建についてもきちんと配慮した上で造るということであれば理解を得られるのではないかというふうに思っております。以上です。
○木村英子君
ありがとうございました。以上です。