配付資料
議事録
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。会派を代表して質問いたします。
本日は、新型コロナ禍でのGoToキャンペーンにおける介護や医療的ケアの必要な障害者の生活に対する影響と現状についてお話ししたいと思います。
新型コロナウイルスの感染者数は日を追うごとに増える中で、テレビでは、連日のように密を避けるようにと言われています。しかし、介護や医療的ケアを必要とする障害者は、密を避けては日常生活を送ることができません。介護従事者が生活上の食事やトイレ、入浴などを支えてくれて初めて生活が成り立っています。
介護や医療的ケアを必要とする障害者の人たちは、一たびコロナにかかってしまうと重症化してしまうおそれがありますので、自ら自粛をしている人が多いです。介護事業所から派遣される介護従事者は、交通機関を使うたびに、コロナにかかるのではないか、また、派遣先の利用者にうつすのではないかという不安を抱えながら日々介護に当たっています。私も含め、常時介護が必要な障害者や医療的ケアの必要な障害者の人たちは、介護従事者が感染してしまったら介護に来れなくなってしまうのではないかという不安を抱えながら生活をしています。
常に介護や医療的ケアが必要な障害当事者が外出を控え、自粛をし、また介護従事者が細心の注意を払い感染予防をしたとしても、コロナの第三波が到来し、市中感染にまで広がっており、もはや防ぎようがなく、コロナにかかるのは時間の問題だと思って、不安に思っています。また、一たびコロナにかかってしまったら重症化してしまうおそれのある人たちは、報道を見るたびに命の危険を感じ、恐怖を抱いています。
経済を支えることは最も重要ですが、一方では、医療崩壊の危機によって自粛を叫ばれているにもかかわらず、GoToキャンペーンの、人の往来を加速させる一端となってしまっています。
そこでお聞きいたします。
このような現状の中で、国交省はGoToトラベルの停止を今月十四日に発表し、全国一律の停止は二十八日からとなっています。発表された後もどんどん感染が広がっていき、感染による死者数も三千人を超えてしまいました。このような深刻な現状において、なぜすぐに止めていかなかったのでしょうか。また、なぜ停止までに十四日間も空ける必要があったのでしょうか。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
GoToトラベル事業におきましては、分科会からの提言に沿いまして、各地域の感染状況や医療提供体制等について都道府県知事の意見も踏まえ、状況に応じた適切な対応を迅速に講じることとしております。地域の感染状況や医療提供体制等の状況から対応が必要と判断された札幌市、東京都、名古屋市、大阪市、広島市につきましては、十一月二十四日から順次一時停止等の措置を講じてきているところでございます。
一方で、今般の十二月二十八日から来年一月十一日までの全国一律の停止措置につきましては、年末年始が帰省や忘年会、新年会、地域によっては成人式など、人の移動や人が集まる機会が特に多く、医療体制も脆弱になる期間であり、十二月十一日の政府の分科会におきましても、年末年始を静かに過ごすことが求められるとの提言がございました。
このようなことから、関係閣僚の協議を経まして、十二月十四日の新型コロナウイルス感染症対策本部におきまして、菅総理大臣から最大限の予防的措置としての御指示があり、今月二十八日から来月十一日までの措置として決定したところでございます。
以上でございます。
○木村英子君 しかし、東京都内では、かなり人の数が多くて、減っているということは私の中では見受けられないんです。
既にちょっと停止が遅いのではないかなと思っていまして、東京では停止されていると言っていますが、GoToキャンペーンで東京から地方に出ていく旅行については、自粛を要請しているということだけで完全には止まっていませんので、このままでは年末年始に更なる感染拡大が起きて、医療崩壊が現実化してしまうのではないかという不安を抱いています。常に介護が必要な障害者や医療的ケアが必要な障害者は介護をしてくれる人がいないと生活が成り立っていきませんので、密になっても感染しないように、介護従事者にも医療的従事者と同じレベルの感染対策が必要だと思っています。
そこで、山本厚労副大臣にお伺いします。
介護従事者の周辺でもコロナの感染者が増えてきています。介護を必要とする障害者の自宅に仕事に入る場合、自分がコロナに感染しているのではないかという不安を抱えながら介護に当たっています。しかし、PCR検査を受けたくても、濃厚接触者ではないという理由で、なかなか検査を受けることができません。
障害者に感染させてしまうと重症化するおそれのある人が多い中で、利用者である障害者に感染させないためにも、介護従事者が随時PCR検査を受けられるようにしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○副大臣(山本博司君) 木村委員、御質問大変にありがとうございます。
新型コロナ感染症に係る行政検査に関しましては、委員御指摘の介護従事者も含めまして、感染拡大を防止する必要があった場合には症状のない方も含めて広く検査を行っていただくよう、都道府県に要請している次第でございます。
また、介護従事者に対するこのPCR検査につきましては、保健所による行政検査が行われない場合におきましては、障害福祉サービス事業所等において必要性があるものと判断し、自費で検査を実施した場合につきましては、それが事業所等の運営に必要不可欠であれば、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業、委員の配付されております一枚目の交付金でございますけれども、その対象になります。十一月二十日付け事務連絡においても発出をしております。
引き続き、感染症の影響がある中でも障害福祉サービスが適切に提供されるように、現場の状況を踏まえながら必要な支援を行ってまいりたいと思います。
○木村英子君 ありがとうございます。
新型コロナ緊急包括支援交付金でPCR検査を受けられるということですが、そのことを事業所では、ほとんど知らない事業所が現在多いです。自己負担で検査を受けなければいけないという実態もありますので、今後周知徹底をお願いしたいと思っております。
次に、障害者のコロナ禍においての入院時の介護派遣について質問いたします。
常時介護の必要な障害者は、病気になったとき、日頃から接している慣れた介護従事者の献身的な支援がなければ病気を治すことはできません。なぜなら、一人一人の障害によって介護の仕方も違い、介護の仕方を間違えれば骨折や体位交換の際に呼吸困難になってしまう人もいます。普通の風邪を引いただけでも重症化してしまう人がいる中で、今回の新型コロナは治療薬もワクチンもないという現状において、今までにない恐怖を感じている障害者の方が多いと思います。
日に日にコロナの感染者が増えている中で、医療も逼迫し、看護師の人手も足りていない状況では、常時介護が必要な障害者や医療的ケアが必要な障害者が入院した場合、たくさんの患者さんの対応で大変な中、看護師が看護の合間に複雑な介護やコミュニケーション支援を必要とする障害者の介護までするのはとても難しいと思います。
さらに、入院時の介護の派遣については、厚労省から平成二十八年六月二十八日付けで、特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の入院における支援についての通知が出されていますが、その通知の存在を知らない医療機関も多く、介護の必要な障害者が入院する際に介護者を付けることを要望しても、医療機関に断られて困っているという人たちがいます。さらに、自治体によっては、この通知が出されているにもかかわらず、重度訪問介護による入院時の派遣を認められず、介護者を付けることができないために水分補給や体位交換が小まめにできず、障害の体を痛め、病気を治すどころか、命の危機を感じて退院するしかなかった人もいます。このような現状はいまだに改善されていません。また、このコロナ禍においては、感染防止が強化されて、通知を医療機関に見せていても、以前にも増して断られてしまうということが増えています。
常時介護の必要な障害者や医療的ケアの必要な障害者にとって介護者は命を支えてくれる大切な存在であり、入院時においても付添いをしてもらわなければ障害の体や命を保つことはできません。入院時における特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の入院における支援についての通知は、私たちにとって、入院したときの欠かすことのできない介護の保障です。ですが、なぜこの通知が周知をされていないのか、お聞かせいただきたいと思いますが、山本厚労副大臣にお聞きします。
コロナ禍の逼迫した状況の中で、私たちは入院時の介護派遣についての改善の要望を出してきましたが、今なお全く改善されていない状況です。この問題についてどのような対応をされてきたのでしょうか。また、これからどのような対策をしていただけるのでしょうか。
○副大臣(山本博司君) ありがとうございます。
今委員御指摘のコミュニケーションに特別な技術が必要な障害を有する患者の入院につきましては、当該患者へのコミュニケーション支援に熟知をしている支援者が入院中に適切な支援をするということは大変重要であると思っている次第でございます。
そのため、厚労省では、こうした特別なコミュニケーション支援が必要な障害者につきましては、従来より支援者の方が入院中に付添いを行うということを可能としておりまして、その旨の通知が、先ほど委員からもありました平成二十八年の六月二十八日付けの内容でございます。お示しをしているところでございます。
また、最重度の重度訪問介護利用者につきましては、入院中のコミュニケーション支援として当該サービス、これを利用することが可能でございますので、このことにつきましても、ちょうど委員の提出されました資料二になりますけれども、三月九日、障害保健福祉の主管部局といたしまして、医療関係部局と連携の上で、病院等にも周知に協力いただきたい旨、三月九日、この資料にあるとおり、障害保健福祉関係主管課長会議においても周知を行った次第でございます。
加えまして、委員の提出の資料の三にございますけれども、六月十九日付けの事務連絡におきましても、各都道府県の衛生主管部局に対しまして、家族等の付添いは障害児者の精神的な安定や急変の兆候に早期に気付くことができる利点があるため、保護者等の希望を踏まえ、院内感染対策に十分留意しつつ積極的に検討するよう医療機関等に促すことを依頼したところでございます。
今委員お話ございましたけれども、そういうことも含めて、しっかりとこうした解釈が医療機関に行き届くような必要な周知を行ってまいりたいと思います。
○木村英子君 周知のほど、これからもよろしくお願いいたします。
次に、赤羽大臣にお聞きいたします。
○委員長(江崎孝君) 木村君、時間が参っております。簡潔にお願い申し上げます。
○木村英子君 はい。
介護の必要な障害者がコロナに感染した場合、重症化してしまうおそれがある危険もありますので、障害者などの弱者の人たちに十分今後考慮した上で、人の往来を少なくして感染を防ぐためにも、GoToキャンペーンの全国一律停止を一月十一日までではなく、それ以降の停止の延長を各省庁と連携して検討していただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 五都市に対する一月十二日以降どうするかというのは、年が明けて、分科会での専門家の皆さん、また政府と真剣に議論して決めることになるというふうに思っております。
その際に、障害を持たれている方、また高齢者の方が大変不安を感じられるということに思いをはせながら、そうしたことについても配慮ができるような検討をしっかりと政府としてやっていきたいと、こう思います。
○木村英子君 ありがとうございました。