2020.5.19道路法の一部改正案質疑『バスターミナルの運営を民間に任せた場合に障がい者が安心して利用できるのか?』

配付資料

議事録

○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。会派を代表いたしまして質問いたします。
 本日は、体調のため、肺活量が少ないために、秘書に代読をしていただきます。
 本日は、特定車両停留施設の設置に当たってPFIのコンセッション方式を導入している点について、障害当事者の観点から質問したいと思います。
 コンセッション方式は、PFIの一つとして公共施設の運営権を民間事業者に設定するものですが、内閣府のホームページによれば、「民間の資金、経営能力、技術的能力を活用することにより、国や地方公共団体等が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供できる事業について、PFI手法で実施します。」とあります。また、「PFIの導入により、国や地方公共団体の事業コストの削減、より質の高い公共サービスの提供を目指します。」と記載があり、効率性やコストの削減の面が強調されています。
 しかし、海外の事例では、PFIの導入によりむしろコストが増加したり、サービスの低下を招いているものがあり、イギリスでは一部再公営化していると聞いています。
 障害者の人たちにとって、PFIの導入により民間事業者への運営管理を委託することによる影響は、社会の中でまだまだ障害者への理解が広まっていない現状において差別が助長してしまうのではないかという懸念があります。また、旅客特定車両停留施設は、バスという公共交通の基点となるものですから、国が民間に管理運営を任せることで、障害者が交通機関を利用する際に必要な合理的配慮やサービスが低下し、障害者が安心して利用することができなくなってしまいます。
 また、今国会で改正されたバリアフリー法には心のバリアフリーが設けられ、新たなスタートを切ったばかりであり、障害者への理解や差別的取扱いは道半ばであり、いまだ改善に至っていませんし、障害者が外へ出たときに差別を受けて、交通機関や公共施設などで利用を断られることが日常的に起こっています。
 差別的取扱いの事例を幾つかお話しします。
 二〇一三年に、ある公民館のホールを利用する際に、車椅子を使用する障害者に対して健常者には付さない条件を付けて公民館のホールの使用を制限させられました。
 この公民館の貸しホールは、舞台の床や座席の転換ができる方式になっており、その作業に一時間半掛かるそうですが、車椅子を使用する障害者の人たちが公民館のホールを利用する際に、舞台の転換作業に時間が掛かるので時間外の転換をお願いしたところ、予約している時間の中でしか作業ができないということで、利用開始からの一時間半と片付けの一時間半、合わせて三時間作業が掛かると言われました。
 午後一時から五時までの利用に際して三時間も転換作業に取られたら、一時間しか舞台を利用することができず、公民館に抗議しました。そのときに、公民館の職員にホールの運営管理は民間の事業者がやっているので公民館としては口が出せないと言われ、ほかの市民が使っていない曜日や、利用料が掛かるけど、転換に時間が掛かるので午前と午後の二こま取ってくれと言われ、利用者の利便性ではなく、事業者の都合を押し付ける始末でした。
 このことは、何度も市役所や公民館と話し合い、現在は改善しています。
 次に、資料一を御覧ください。
 コンセッションの事例ではありませんが、指定管理者制度によって公益財団法人が管理していた熱海市の青少年教育施設において、聴覚障害者の宿泊が拒否されたという事件が二〇一八年にありました。
 聴覚障害者は火災報知機が聞こえないから災害時に安全を確保できないという理由で宿泊を拒否したとありますが、火災報知機が聞こえなくても代替できる手段は考えられ、合理的配慮が十分に可能だった事案と思いますが、管理者は安易に宿泊を拒否しており、これは明らかに差別だと言えます。
 この聴覚障害者の宿泊拒否の事件では、熱海市の指導が入り、受入れ体制を整えたとのことですが、このような差別的取扱いを受けたという障害者の相談が多い中、多くの障害者が泣き寝入りしている状況だと思います。
 今お話ししたように、公共施設を民間に委託した場合、障害者に対する理解が不足しているために、差別的取扱いや合理的配慮に欠ける事業者がいて困っているというのが障害者の現状です。そんな障害者の現状において、公共施設の運営を民間に任せた場合に、効率性や利益性ばかりを追求することによって障害者に対する合理的配慮の促進が遅れ、ますます障害者が社会から切り離されてしまうおそれがあります。
 PFIのコンセッション方式を導入するに当たっては、差別解消法にのっとり、障害を理由に差別的取扱いをされないように心のバリアフリーを促進するための具体的な政策が確実に保障されなければ、基本的には反対の立場です。
 今回の道路法改正により、旅客特定車両停留施設の運営権を民間事業者に設定した場合であっても、心のバリアフリーの推進を図るためにも職員研修としてバリアフリー教室の実施を義務付け、当事者しか分からない合理的配慮の提起などの当事者参画を重視した上での相談窓口の設置や、見守りを含めた介助等の人員配置などの体制整備を行政が指導監督するよう当然責任を持っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 また、運営権を持った民間事業者に対しても、行政の責任と同じ、管理運営に際しての義務と責任を負っていただきたいのですが、そのための具体的な方法を示していただけますでしょうか。
○政府参考人(池田豊人君) お答えいたします。
 今回道路法改正で規定する特定車両停留施設の運営におきましては、障害者差別解消法の規定によりまして義務が位置付けられております障害を理由とする差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供の義務、こういったものについても適用されることになります。
 こういった義務につきましては、特定車両停留施設の運営にコンセッション制度を導入する場合にも、引き続き道路管理者に課せられることになります。このことから、道路管理者は、コンセッション制度を導入する際に、運営権者の選定に当たって、相談体制の整備や研修、啓発あるいは障害者に対する誘導などの支援など、運営権者において取り組むべき事項について、これを着実に履行する者と実施契約を締結することとしております。
 また、運営権者においては、障害者差別解消法に基づいた取組をすることになりますけれども、道路管理者はその実施状況を監視しまして、対応が不十分な場合には指示を行いまして、確実に履行されるよう監督をしてまいりたいと考えております。
○木村英子君 障害者にとっては、社会参加するたびに日常的に差別は続いていて、国交省に上がってくる差別的な事例は氷山の一角にしかすぎません。
 そのような厳しい現状の中で旅客特定車両停留施設にコンセッションを用いた場合には、行政が民間事業者に丸投げせずに、差別が生じないよう、又は差別があった場合は解決するまでの責任を国や地方行政が持っていただけるよう約束していただけないでしょうか。大臣、お答えください。
○国務大臣(赤羽一嘉君) コンセッション制度を導入したとしても、道路管理者に課せられた障害者差別解消法ですとかバリアフリー法による義務は当然消えるわけではございません。当然、また、今局長から御答弁させていただきましたが、道路管理者として責任を確実に果たすために、運営権者の選定に当たっては、今言いました二つの法、基本的なバリアフリーの考え方について、しっかりとその取組をできるかどうかということを確認した上で選定をしていくということ、契約を締結していくということでお約束をしたいと思います。
 加えて、私が思うには、この旅客特定車両停留施設というのは、このことが実現することによって、障害を持たれている方にとっては非常に、バスへのアクセスというのは非常に不便なことがあるのが現状だと思いますが、そうした利便性の低さというものを、私はこのバスタということができることによって、そうした意味で障害を持たれている方にとってもメリットというのは大変大きなものがあると思います。
 ですから、政策的な意味合いではそうしたものがあるし、実際運営をする運営権者に対しては、そういう規定もありますし、実際障害を持たれる方が現場で差別を受けているというような事例が出ないように最大の努力をしていくことをお約束させていただきます。
○木村英子君 赤羽大臣、ありがとうございます。国が障害者の人たちに何かあったときに保障していただける、責任を取っていただけるということをお伺いしましたので、安心しております。今後とも、取組の方を推進していただきたいということで、よろしくお願いいたします。
 以上で質問は終わります。

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