2025.3.25 参議院 国土交通委員会 半島振興法改正案【討論】

 ○木村英子君
 れいわ新選組の木村英子です。
 会派を代表して、半島振興法改正案に反対の立場から討論いたします。
 本改正案は、能登半島地震の教訓を踏まえ、半島振興の推進に向けた改正の中に、障害福祉サービスの充実や半島防災の推進が盛り込まれました。
 しかし、地震が頻発している昨今において、他者の支援がなければ逃げられない障害者や高齢者にとって、災害などの有事の際には常に取り残されるのではないかという不安を抱えている人が多くいます。
 2011年の東日本大震災では、福島原発は最大5.7メートルの津波が想定されていましたが、実際には約13メートルの津波が発生し、3つの原子炉が同時にメルトダウンを起こし、震災による被害を更に拡大させました。また、原発による放射能汚染の被害は周辺地域にとどまらず、住民はいまだに生まれ育った故郷に戻りたくても帰れない人がたくさんいます。
 事故当時、福島県大熊町の双葉病院では、病気や障害のある入院患者が病院に取り残され、多数の方が亡くなりました。災害弱者に対する避難や防災対策が何も取られていなかったことがこのような悲惨な事態を招いた原因であったと考えます。
 地震や津波は天災ですから予測はできません。しかし、原発の事故は人災であることは明らかですから、大惨事を防ぐためにも避難計画などの原子力防災体制の抜本的な見直しが必要だと考えます。原子力発電所のある地域においては、いつ起こるか分からない自然災害に加え、原発事故による複合災害が起こることで、住民の命が更に危険な状況に置かれてしまいます。
 ですから、れいわ新選組は、原子力防災を改正案に明記することを訴え、具体的な条文案をワーキングチームにて提出いたしましたが、取り入れてはもらえませんでした。
 一瞬にして人々の命と生活を奪ってしまう原発事故に対する防災対策を条文に取り入れてもらえない本法案には反対いたします。
 以上で討論を終わります。

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