○木村英子君
れいわ新選組の木村英子です。会派を代表して、政治資金規正法の改正案について質問いたします。
まず初めに、この法案の提出者である自民党に質問いたします。
今回の政治資金規正法案は、一体誰のために作られるのでしょうか、そして、この法律が作られることで誰が幸せになれるのでしょうか。簡潔にお答えをお願いいたします。
○衆議院議員(鈴木馨祐君)
今回の政治資金規正法の改正でありますけれども、まず、その一つの原点といたしましては、私ども自民党の中の一部の派閥であったり、あるいは所属議員において、法令の違反、これが行われたということがその大きなスタートであります。そういったことでいえば、この政治不信、ここをしっかりと解消していく、そして同時に、この再発防止を徹底をすることでそういった政治への信頼というものをきちんと取り戻していく、そういったことを通じて、私どもとしては、国民の多くの皆様方の政治の信頼を回復をし、そうした皆様方の未来のためにつながっていく、そういった趣旨での法改正を私どもとしては考えているところであります。
○木村英子君
しかし、今回の裏金の問題によっての一番の被害者は国民です。
日本の政治の主役は国民であり、憲法にも国民主権がうたわれています。しかし、今回の裏金問題に関しては、国民の厳しい現状を置き去りにされ、国民の主権が無視されたまま政治が暴走しています。
今年の元日に起きた能登半島地震から既に半年近くがたっていますが、いまだに被災地では自宅の水道が復旧していなかったり、倒壊した自宅に帰れず避難所生活を余儀なくされている方がたくさんいます。つい先日も、被災地では再び大きな地震に見舞われ、被害は更に拡大している状況の中、国からの支援が十分に行き届かずに、被災地の方々の生活は更に疲弊している状況です。
国民の生活においては、止まらない物価高騰によって、生活保護者や低所得の方は食費や光熱費を切り詰めなくてはならず、体を壊し亡くなる方もいます。
また、少子高齢化が加速し、子供の貧困や虐待、自殺など悲惨な現状にもかかわらず、国は、こどもまんなかをうたいながらも、保育士の人員配置基準は外国に比べ最も低く、子供への虐待や事故を招かざるを得ない状況です。さらに、子ども・子育て支援金については、医療保険料に上乗せして徴収され、結局は国民への負担を負わせるだけの増税であり、国民をだましているとしか思えません。
高齢者の介護問題について、高齢化によって介護難民が増えている中で、家族だけでは介護できないほど厳しい現状にもかかわらず、介護保険によるサービスは十分に受けられないどころか、介護保険料は上がり続け、高齢者とその家族の生活が追い込まれています。
障害者施策については、国が地域移行を掲げていますが、深刻な介護者不足により事業所からの介護の派遣を打ち切られたり、撤退する事業所が増え、トイレや食事をしてくれる介護者が見付けられず体を壊すなど、介護の必要な障害者の生活が危機にさらされています。また、事業所から派遣を打ち切られた障害者の中には、やっとの思いで築いてきた地域での生活を断念するしかなく、施設に入ってしまった人もいます。
私の場合も人ごとではなく、介護してくれる人がいなければ、食事もトイレも、命を保つことすらできません。今、少ない介護者に支えられながら生活を送り、どうにか登院することができていますが、この深刻な人手不足の中、いつ国会に来られなくなるのか不安を抱いています。
私が議員になった理由は、介護者不足が原因で亡くなっていく仲間を見送るたびに、少しでもその現実を改善したくて、また、同じ苦しみを抱える仲間たちに背中を押されて今私はここにいます。
今なお苦しんでいる国民の課題が山積している中で、国会が優先しなければならないことは国民の命と生活を守るための法律や制度を早急につくることです。これほどの国民の逼迫した状況を放置したまま国会議員に有利な都合の良い法案を通そうとしても、国民の信頼を取り戻すことはできないと思います。
今回提出されている法案は、国会の中だけで国会議員のために議論されていますが、一番重要な国民の意見が反映されていない以上、納得できるものではありません。国民の命と生活を最優先とし、国民の主権を守り、新たな法案を作るために今回の法案は白紙に戻すべきだと、そして、それを検討していただきたい。そして、法案を作るに当たっては、主権者である国民が置き去りにされることなく、市民や有識者などの外部の方の参加を含めた議論の場をつくることが必要だと思います。衆議院、参議院、超党派で政治資金について参考人質疑なども行い、法案を白紙に戻した上で新たな政治資金規正法案を作るべきだと私は思いますが、いかがでしょうか。自民党、国民民主党、共産党の順番でお考えをお聞かせください。
○衆議院議員(小倉將信君)
木村委員が様々ご指摘をいただきましたような、物価高への対策、能登半島地震への復旧復興、少子化、高齢社会への対応、障害者福祉の充実、こういった課題は非常に重要な課題だと認識しております。
だからこそ、例えば少子化対策や子供政策であれば、参議院の内閣委員会におきまして、例えば子ども・子育て支援法の改正法案についてご審議をいただきましたでしょうし、これから子供の性被害の防止、これに係る法案を参議院でご審議をいただくものと思っております。
ただ、先ほど鈴木委員が申し上げたように、政治は信なくば立たずでございます。まずは、我が党に端を発した政治不信に対して、このまさに政治改革を議論をする政治改革特別委員会におきまして、その再発防止策をしっかり講じる法案をご審議をいただきお認めいただくことも同時に重要であるという認識の下で、私ども、この法案を提出をさせていただいている次第でございます。
そしてまた、国民の皆様方からご意見をいただくべきという、そういうご意見も賜りました。そちらも非常に重要だと思っております。だからこそ、こちらも、今般の政治資金問題を受けまして、各党各会派がまさにそれぞれの会派や党において国民の声をお聞きになった上で、国民の政治への信頼を回復するための政治資金規正法の改正案の策定に向けまして精力的に準備をしてこられたものと承知しておりまして、衆議院において、自民党だけではなくて、立憲、国民、有志が三会派で、また維新・教育からも法案が提出をされており、また、参議院においても国民民主や共産から法案がそれぞれ提出をされております。
その議論の過程で、例えば我が党におきましても様々な有識者の方から貴重なご意見を拝聴し参考にさせていただいたところでありますし、恐らく他党の皆様におかれましてもそれぞれの国民の声を聞きました所属議員でありましたり有識者の方からの貴重なご意見を参考にされたのではないかと推察をいたします。
このような経緯に鑑みますれば、今回の改正案につきましては、委員ご指摘の外部の有識者を含めた、あるいは国民の声を聞いた超党派での議論という形で今回も議論が進められてきたものと承知をしております。
○委員以外の議員(竹詰仁君)
我々も少数会派も含めた開かれた議論が必要だと考えております。
岸田総理が各党会派の議論で決める必要があると述べながら、衆議院側での協議や修正が一部の党会派の役職者の間で行われたことは遺憾と思っております。本院での議論は、少数会派も含め、各党会派による開かれた議論を期待いたします。
その上で、これまで我々政治家が自身を縛るルールを作るとどうしても抜け道ができてきたことからすれば、お手盛りとならないように公正な第三者の目が必要であると考えます。我が会派は、国会の自律権に基づき、政治資金に関する政策の提言、国会議員に関係する政治団体の政治資金に関する法令遵守の監視、違反行為があった場合に勧告等を行う第三者機関を国会に設置することを法案に規定しております。いずれにしましても、外部の有識者を含めた超党派の議論には同意するところでございます。
○井上哲士君
政治と金の問題は民主政治の基盤の問題であって、国民の声をしっかり聞きながら、国会での全ての会派の参加の下に、有識者の意見も聞きながら議論をすることが必要だと考えております。
今、多くの国民がこの自民党の裏金問題で、自分たちは裏金作る一方で国民には増税かと、法律を作る国会議員から、自らの法律違反の犯罪を犯しながら説明責任すら果たそうとしていないと、このことに対する大きな怒りが広がっております。これに対して、私たちがやっぱり真相を徹底解明をしながら、二度と抜け道を許さない、実効ある再発防止策をどう作るかが問われておりますし、これができなければ今の国民の不信は国会全体に向けられるということを考えております。
会期が残り少ないからと言って十分な議論もなさずに行うのではなくて、徹底した議論を通じてこうした国民の声に応えた本物の改革を進めることが必要でありますし、そのために私どもも法案を提出しております。是非、皆さんの賛同もいただきながら、国民の信頼に応える本物の改革をご一緒に進めたいと思います。
○委員長(豊田俊郎君)
ほかに。よろしゅうございますか。
○木村英子君
やはり、国民の信頼が失われている原因は、裏金問題を起こした人たちの責任がきちんと問われていないということだと私は思います。やはり、これから政治資金の議論をするのであれば、しっかりと国民の意見を聞くことが必要だと思います。なぜなら、政治の主役は国民だからです。私たちのことを私たち抜きに決めないで、このスローガンは障害者だけではなく、社会に参加している全ての国民に通ずる権利です。
今回の政治資金規正法案については、市民や有識者などの外部の声もしっかりと含めた上で、そして検討の場をつくり、一からこの法案を作り直していただきたい、そのことを強く求め、私の質問を終わります。