○木村英子君
れいわ新選組の木村英子です。
会派を代表し、令和5年度決算について質問いたします。
能登半島地震が発生して一年がたとうとしていますが、被災者の方々はいまだに元の生活を取り戻してはいません。
政府が令和5年度の予備費から能登半島地震の被災地支援として決定した2767億円の支出は、復興が進んでいない現状において不十分であったということは明らかです。
特に支援の必要な障害者や高齢者の人たちは、瓦れきなどで避難所にも行けず、在宅避難や車中泊を余儀なくされ、水や食料などの物資さえも取りに行けずに、災害関連死の危険と隣り合わせの状態でした。
このような状況において、今年3月の国土交通委員会の質疑では、災害福祉支援を行っているDWATや民間団体などが在宅避難者へ物資を直接届けるように、その経費を国庫負担の対象とすることを国に求めましたが、明確な答弁は得られませんでした。
その後、内閣府では、DWATなどが在宅避難者や車中泊をしている方たちへの福祉的な支援が行えるように法改正の検討を始めたと聞いています。
震災で亡くなった方の半数以上が災害関連死である状況は災害支援から取り残されている被災者に対して、国の対応は余りにも遅過ぎます。震災は国難ですから、予備費だけではなく、補正予算を組むべきだったと思います。
今年の代表質問で岸田前総理が約束した誰も取り残さないインクルーシブ防災の推進のためにも、災害救助法に福祉的な視点を盛り込むとともに、在宅避難や車中泊を余儀なくされてしまう方に直接的な支援が行えるように早急に整備していただきたいと思います。総理の見解を求めます。
次に、生活保護について質問します。
昨今の物価高により、光熱費の物価指数は2020年から約11%、食料は20%も上昇しています。
そのため、生活保護受給者は、暖房や冷房などの利用を控えたり、食費を切り詰めることで健康を害してしまう方も少なくありません。また、障害のある人たちの中には体温調節ができない人もいて、今日は暖房を取るか食事を取るか、命が左右されてしまうほど厳しい状況の方がいます。
生活保護について、厚生労働省は、令和5年10月から令和7年3月までの物価高騰対策として一人当たり月額1000円の特例加算を出していますが、相次ぐ物価高騰の中で生活を維持するには到底足りるはずがありません。
それにもかかわらず、財務省の財政制度等審議会では、その特例加算を合理的な算定根拠がないという理由で1000円の加算すらなくそうとしています。
生活保護は国民の最後の砦です。憲法25条の健康で文化的な最低限度の生活が保障されることは国民の権利です。
総理、生活に困っている国民の命を守るためにも、生活保護費の大幅な引上げをこの場で約束してください。
そしてさらに、物価高騰に加え、国民の生活に追い打ちを掛けているのが消費税です。
今必要なのは、給付金や減税などの施策です。消費税は、生活を逼迫させるだけではなく、命すら保てない状況に追い込んでいます。多くの国民や生活に困窮している人たちにとって重い負担となっている消費税を今すぐに廃止してください。総理の誠意のある決断を求めます。
以上で質問を終わります。
○内閣総理大臣(石破茂君)
木村英子議員のご質問にお答えをいたします。
災害時における福祉支援の強化についてお尋ねを頂戴いたしました。
災害時における福祉サービスの充実は、被災者の生活環境の向上、災害関連死の防止のために極めて重要であると、このように考えております。
現在も、障害者の方々などが災害時に滞在できる福祉避難所の設置や、災害派遣福祉チームDWATの避難所への派遣につきまして、必要な費用を国庫が負担するなど、災害時の福祉支援に取り組んでいるところでございますが、被災者の方々の中には、在宅や車中泊で生活を送られている方々もおられますことから、こうした方々に対しましても十分な支援を行っていく必要がございます。
現在、政府におきましては、災害時における福祉支援の充実を図るため、DWATの活動範囲を拡大し、在宅や車中泊の被災者の方々への支援も行うこと、災害救助法を改正し、救助活動に福祉の観点を盛り込み、国庫負担の対象とすることについて検討を進めているところでございます。
高齢者や障害者を始めといたします要配慮者への支援が着実に行われますよう、早期に結論を得てまいります。
生活保護についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
現行の生活扶助基準につきましては、令和4年の審議会での検証結果を反映することを基本としつつ、社会経済情勢などを総合的に勘案し、今年度までの臨時特例的な対応として、お一人当たり月額1000円を加算いたしますとともに、従前の額から減額しないようにしております。
令和7年度以降の生活扶助基準につきましては、社会経済情勢などの動向を踏まえ、必要な対応を行えるよう、引き続き来年度予算の編成過程におきまして、関係省庁において検討し、結論を得てまいります。
消費税の廃止についてのお尋ねをいただきました。
消費税につきましては、急速な高齢化などに伴い、社会保障給付費が大きく増大する中におきまして、全世代型社会保障制度を支える重要な財源と位置付けられておりますことから、政府として、その引下げを行うことや廃止することは適当ではないと考えております。
以上でございます。