○木村英子君
れいわ新選組の木村英子です。
本日は、住宅探しに困難を抱えている障害者の住宅確保について質問いたします。
金子大臣は、先日の所信において、誰もが安心して暮らせる豊かな住生活の実現に向け、良質な住宅確保への支援の着実な実施などに取り組んでいくと話されました。
住宅は、誰もが地域で生活するために必要不可欠なものであり、憲法22条1項では、居住、移転の自由が定められています。また、国連の障害者権利条約19条では、「障害者が、他の者との平等を基礎として、居住地を選択し、及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有する」として、誰もが自分の住みたいところに住む権利を持っていることを規定しています。
しかし、実際には、障害者は、住宅探しにおいて、バリアフリー化された住宅が少ない上、障害を理由とした差別によって入居を断られることが多く、自分の住みたいところを選ぶことができない状況が続いています。
資料1をご覧ください。

この毎日新聞の記事によると、大阪市の知的障害のある女性は、地域での一人暮らしをするために昨年12月にURを訪れ、物件の内覧を行い、入居の申込みをしました。その際に、URの宅建士から、家族と同居でなければ入居を許可できないと言われました。これに対して、障害者の方の支援者が、これまで一年間一人暮らしの練習をしてきた、定期的に介助支援も入ると説明したそうですが、宅建士からは、24時間、誰かがいる状態でないと難しい、何かあったときにUR側が責任を問われると突っぱねられ、入居を断られました。
URは、国が所管し、全国に約70万戸の公的賃貸住宅を供給、管理している独立行政法人にもかかわらず、介護が必要な障害者に対して同居親族要件をも付けて入居を断る行為は、障害者の自立と社会参加を阻んでいます。
国は、2016年に施行された障害者差別解消法で、行政の差別的な取扱いを禁止しています。障害者が住宅を借りる際に同居親族要件を設けることは、障害者でない者に対して付さない条件を付すことであり、明らかに障害者差別解消法、差別解消法が、違いました、済みません、障害者が安心して地域の中で生活できるように、早急にUR住宅の同居親族要件を削除するように国交省からURに対して指導していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(金子恭之君)
木村委員にお答え申し上げます。
住まいは安心して生活を送るための基盤であり、障害者を含め全ての方々が賃貸住宅に円滑に入居できるための環境整備を図ることが重要と考えております。
UR賃貸住宅は、公的賃貸住宅として住宅セーフティーネットの役割を担う観点から、入居を希望される方の世帯属性によらず、公平に受け入れることとしております。こうしたことから、常時介護が必要な方についても、原則として単身での入居を可能としております。
一方で、URのホームページ等における常時介護が必要な方について親族の同居が必要となるとの記載は、単身入居を認めないとの誤解を招きかねないものであり、URに対して、親族との同居に係る記載を削除するよう既に指導したところでございます。これを受けまして、URより、本日中に対応を完了するとの報告を受けております。
今後とも、UR賃貸住宅が住宅セーフティーネットとしての機能をしっかり発揮することにより、障害者を含む全ての方々に安心していただける住環境の整備を図ってまいります。
○木村英子君
大臣、早急に進めていただいて、ありがとうございます。
次に、公営住宅についてですけれども、公営住宅についても同居親族要件が課せられておりまして、障害者の入居が阻まれている現状にあります。
日本の公営住宅は、長年、原則として同居する親族がいることが条件とされていましたが、2011年の公営住宅法の改正によって、法律上はこの同居親族要件は廃止されています。しかし、公営住宅の入居要件は各地方自治体の判断に任されているために、いまだにほとんどの自治体ではこの同居親族要件が条例に残されたままとなっています。
このような状況に対し、資料2で示されているとおり、

国交省は、令和3年に都道府県や指定都市に対して事務連絡を発出し、障害者差別解消法の趣旨を踏まえ、同居親族要件の削除を検討するよう促しているところです。しかし、多くの自治体の条例にはいまだに同居親族要件が残っており、多くの障害者の住宅確保が困難な状況は改善されていません。
公営住宅は、障害者年金で生活している障害者とか生活保護利用者など低所得の人たちの、住宅確保に困難を抱えた人たち向けの住宅となっているはずですから、公営住宅に住みたいと望む障害者に対して同居親族要件を課すような差別的取扱いを二度と起こさないように、国交省から自治体に対して改めて同居親族要件を削除するように働きかけをしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(宿本尚吾君)
お答えをいたします。
公営住宅は、住宅セーフティーネットの根幹として、住宅に困窮する低額所得者の居住の安定を図るために供給するものであり、住宅に困窮する低額所得者に的確に供給されることが必要であります。
ご指摘の公営住宅の入居に当たり原則として同居する親族を求めるといういわゆる同居親族要件でございますが、これは委員からもお話ありましたように、平成23年の地方分権一括法により廃止をしてございます。これによって、同居親族を求めるか否かは事業主体である地方公共団体の判断によることとされましたが、現状では、地域の実情に応じていまだに同居親族要件を規定している地方公共団体もあるものと承知をしてございます。
国土交通省といたしましては、委員ご指摘のとおり、令和3年に事業主体に対して通知を発出し、要件の廃止について検討するように働きかけるとともに、その後も主務課長会議や研修の場などにおきまして同様の働きかけを行ってきたところではございますが、さらに、本日の委員会でのこのご議論含めまして、改めて事業主体に強く要請をしてまいりたいと考えてございます。
○木村英子君
ありがとうございます。引き続き自治体に対して要請をお願いしたいと思います。
次に、公営住宅の入居要件について質問します。
同居親族要件だけではなくて、介護の必要な障害者に対して、公営住宅の入居に当たり、障害のない者に付さない条件を障害者に課して制限している自治体があります。
資料3をご覧ください。

群馬県の県営住宅では、入居を申し込もうとしている障害者に、単身での申込みは居宅にて自活可能な方となりますという条件を付けています。
また、資料4の神奈川県厚木市のように、一人で日常生活が送ることが条件となりますといった差別的な入居条件を付けている自治体も少なくありません。

このような差別的な入居要件は、障害者の住まいの権利を侵害することだけではなく、介護の必要な障害者の地域で生きるための自立と社会参加の権利も侵してしまいます。障害の有無にかかわらず、誰一人取り残されない社会を実現するという国の方針からも反しています。
国の障害者差別解消法の理念にのっとり、差別的取扱いの禁止と合理的配慮の提供の義務を遵守し、国交省から地方自治体に対して、障害者に対する入居要件を課すことをやめるように指導していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(宿本尚吾君)
お答えをいたします。
ご指摘のとおり、いまだに障害者に対して同居親族がいることといったことを公営住宅の入居要件としている事業主体もあるものと承知はしてございます。
障害者差別解消法では、障害者に対して、正当な理由なく、障害を理由として、障害者ではない方には付さない条件を付けることによる不当な差別的取扱いが禁止をされているものと承知をしております。
こうした状況を踏まえまして、国土交通省では、要件の廃止について検討するよう事業主体に対し働きかけを行っているところでございます。
なお、ご指摘のありました群馬県及び厚木市の事例につきましては、介護体制が整っていたとしても障害者の方は単身で入居ができないかのように記載をされてございます。当該記述を削除するなど、適切に修正するよう、個別に働きかけをしてまいります。
さらには、全国の事業主体に対しまして、今般の事例を示しつつ、ホームページや入居者募集パンフレットなどにおいて条例で定めていない要件を付加するような誤解を招きかねないような記述がないかということについて、もしそういうものがあったら削除するなど適切に修正するよう、実態を踏まえて働きかけてまいります。
○木村英子君
このような入居要件を付けている自治体がどれぐらいあるのかというのが今の時点で分かりませんので、この辺も調査していただいた上で進めていただきたいと思います。お願いします。
次に、共同住宅のバリアフリー化の義務化について質問します。
障害者や高齢者にとって、住まいのバリアフリー化は欠かすことのできないインフラです。そのため、バリアフリーの住宅の確保は喫緊の課題だと思っています。
日本では、2006年にバリアフリー法が施行され、公共交通機関や商業施設などのバリアフリー化が義務付けられています。そのことで少しずつ進んではきていますけれども、アパートやマンションなどの共同住宅についてはバリアフリー化は義務とはなっていません。
そんな中でも、東京都などの一部の自治体では、一定の規模以上の共同住宅についてはエントランスや通路などの共用部分についてバリアフリー化を義務付けることなどが条例で定めているところもあります。また、中野区では更に踏み込んで、一定の規模の共同住宅を建てる事業所に対して、2割の部屋をバリアフリー化することを条例で義務付け、共用部分だけではなく、マンションなどの個室内の部分についてもバリアフリー化を進めようと施策を打ち出しているところがあります。
資料5をご覧ください。

国交省でも、令和5年には障害当事者を交えた障害者の居住にも対応した住宅の設計ガイドラインに関する検討会を開催し、障害者の居住にも対応した住宅の設計ハンドブックというものが作成されています。そこには、トイレやお風呂などの個室内のバリアフリー化の目安が示されています。ただ、実際にはなかなか共同住宅のバリアフリーというものが進まずに、障害者の住宅確保につながっているということにはなっていない状況です。
このような状況を改善するためにも、障害者の当事者の参画の下で作られたハンドブックの活用を国交省が促すことはバリアフリーな住宅の確保を促進していく一歩になっていると思います。その上でも、国交省として共同住宅のバリアフリー化の義務化を検討していただきたいというふうに思いますが、国交省の見解を求めます。
○政府参考人(宿本尚吾君)
お答えをいたします。
誰もが希望する住まいを選択できる環境を整えていく一環として共同住宅のバリアフリー化を推進していくこと、これ重要であると認識をしてございます。
バリアフリー法におきましては、ホテルや病院といった不特定多数の方々が利用する建築物におけるバリアフリー化を義務付けてございます。共同住宅の共用部分については、バリアフリー基準の努力義務の対象としてございます。一方で、共同住宅の住戸部分につきましては、利用者が基本的に居住者に限定をされますので、バリアフリー法に基づく基準の適合対象とはなってございません。
その上で、地域の実情に応じて、条例に位置付けることで共同住宅の共用部分につきましてバリアフリー基準への義務付けの対象に追加できる仕組みを用意してございまして、委員からもお話ありましたように、現在13自治体におきまして共同住宅をバリアフリー基準の適合義務付けの対象に加えております。
今後、こうした取組を全国に広げるため、地域の実情に応じた条例制定を促進するように、地方公共団体に対し対応を要請してまいりたいと考えてございます。
一方で、共同住宅の住戸内、いわゆる専用部分でございますが、これも含めて一律にバリアフリー化の義務付けを行うことについては、共同住宅といった用途の特性や設計上の制約、また、賃貸住宅事業の運営への影響などにも配慮しつつ検討を行っていく必要がございます。
このため、今後、有識者の方々、障害当事者の方々、事業者の方々、こういった方々で構成をされますフォローアップ会議というものがございます。この枠組みを活用して、まずは共同住宅のバリアフリー化に係る実態の把握を行った上で、住戸部分も含めてバリアフリー化を進めていくにはどういったやり方がいいのかということ、例えばガイドライン化をして広く周知をして誘導していくということも含めて検討してまいりたいと考えております。
引き続き、障害当事者の方々のお声に真摯に向き合いながら、共生社会の実現に向けて歩みを止めることなく対策を進めてまいりたいと考えております。
○木村英子君
ありがとうございます。バリアフリー化の家は、障害者だけではなく誰にとっても必要なものですから、進めていただきたいと思います。
最後に、住宅確保についての行政の責任について大臣にお伺いします。
障害者の方の住宅確保の改善が遅れている大きな原因、それは各自治体に障害者の住宅に関する窓口がほとんどないということが問題になっています。
障害者は、障害を理由として入居拒否を受けることが多く、車椅子利用者が家を探すときに不動産屋、大家さんから言われることは、家の床などに傷を付けるとか、あるいは火事を起こされると困るといった理由から貸してくれるところが少ない状況です。そのため、家が見付かるまで何十軒も不動産屋を回らなければなりませんし、一年以上掛けても実際住宅が見付からないという状況の方もいます。親元や施設から独立して地域で暮らしたいと望む障害者の方が、住宅が見付からない状況ですので、自立を諦めざるを得ない人もいます。
見付かるまで、最後のとりでとしては行政窓口に行きますけれども、その行政窓口に行っても、職員からは、法律や制度がないから対応できないと門前払いをされることが多い現状です。そういった国の掲げる地域移行とは全く真逆ですし、本末転倒です。
障害の有無にかかわらず、住まいは国民の権利ですから、どんな障害があっても地域で当たり前に生活を望むことができるように、住宅のバリアの解消を促進するとともに、障害者の住宅確保における自治体の窓口の設置とあっせんなどの制度を検討していただきたいと思います。その上で、居住支援体制の整備を具体的に進めることが必要だと思います。
住宅確保が困難な人たちに最後のとりでである行政の支援体制をつくることを検討していただきたいと思いますが、大臣のご見解をお願いいたします。
○国務大臣(金子恭之君)
ご指摘の住まいに関する相談窓口につきましては、地域における住宅政策と福祉政策が連携した切れ目のない総合的、包括的な居住支援体制の整備が必要と考えます。
これまでも、公営住宅やUR賃貸住宅を始め、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅の供給等を進めております。また、昨年、住宅セーフティーネット法を改正し、厚生労働省との共管法とした上で、民間賃貸住宅の空き家を、空き室を活用し、居住支援法人と連携して見守り等を行う居住サポート住宅を創設するほか、地方公共団体による居住支援協議会の設置を促進するなどにより、住まいの相談窓口を含めた地域の居住支援体制の強化を進めております。
それぞれの地域で誰もが安心して暮らすことができるよう、引き続き厚生労働省とも連携しながらしっかりと取り組んでまいります。
○木村英子君
行政の窓口をこれからもしっかりと設置していただきますよう、よろしくお願いします。
以上で終わります。


