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○木村英子君
れいわ新選組の木村英子です。
会派を代表して、令和6年度決算について、障害者の立場から質問いたします。
現在、全国的に在宅や施設の介護の人手不足が深刻化しています。昨年の介護の報酬改定による障害福祉サービスの報酬は微増で、物価高には全く追い付かず、さらに、高齢者の訪問介護の基本報酬は2%も引き下げられ、2024年の介護事業者の倒産は前年比40.9%増で172件、うち訪問介護事業者の倒産は過去最多の81件であり、介護の必要な人たちの生活は崩壊寸前で、一刻の猶予もありません。
ですから、次の改定を待たずに、介護事業者への基本報酬の増額を高市総理に求めます。
また、高市総理は、介護従事者全般に、半年間、月1万円の賃上げを措置することを決定しましたが、介護従事者の平均月給は全産業平均より8万円低いと言われており、月額1万円の賃金では全く足りません。
介護従事者の人手不足を解消するには、労働に見合った賃金の増額を公費で措置することが急務と考えます。高市総理の見解を求めます。
次に、生活保護基準引下げの問題についてですが、私のような重度障害者は、家族が介護できない場合、施設しか行き場がありません。それでも、私は皆さんと同じように社会の中で生きたいと思い、施設ではなく地域へ出てきましたが、重度障害者が生きていくための保障は何もなく、生活費は障害基礎年金と生活保護しかありませんでした。そのような状況は私だけではなく、障害者の仲間とともに厚労省に何度も保護費のアップを要請してきました。
そんな中で、芸能人の家族を発端とする生活保護利用者へのバッシングが展開され、政治主導で2013年から大幅な保護基準の引下げが実行されたのです。私もその渦中にいた一人でした。少ない保護費から、今日の食事を削るか、体温調節ができない障害の体を守るための光熱費を削るのか、どちらも命を削る選択を迫られる毎日でした。
生活保護利用者は、利用は、国民の権利であるはずです。しかし、自治体の窓口での利用抑制や嫌がらせなどによって、利用者の生活を脅かし、尊厳を傷つける政策を主導してきた自民党の一人として、高市総理にも責任の一端はあると思います。
このような状況の中で、生活保護利用者は国を訴え、最高裁は国の引下げを生活保護法違反と判決を下しました。しかし、高市政権は、再び保護基準額を引き下げる方針を固めました。このような弱者切捨ての政府の姿勢を容認することはできません。保護基準額の引下げの撤回を要望します。
そして、総理は、最高裁の判決に対して国会で謝罪をしましたが、生活保護利用者に直接謝罪は行っていません。長年にわたり生活保護利用者の尊厳を傷つけてきたことに対し、直接面談し謝罪する機会を設けていただきたいと思います。
その上で、生活保護利用者全員の保護費の引下げ額の全額補償を要求します。高市総理の見解を求めます。
生活に困窮している多くの人たちの苦しみに更に追い打ちを掛けているのが消費税です。社会的に弱い立場に置かれている人たちが安心して生きられるように、消費税の廃止を総理に求めます。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○内閣総理大臣(高市早苗君)
木村英子議員のご質問にお答えいたします。
介護、障害福祉サービス報酬の引上げについてお尋ねがございました。
介護・障害福祉事業者は、物価や賃金の上昇等の状況に直面しています。このため、令和7年度補正予算案に、報酬改定の効果を前倒すものとして、介護職員の賃上げ、職場環境改善に向けた支援や、物価上昇の影響がある中でも介護サービスを円滑に継続するための支援を盛り込んでいます。まずは、こうした支援を通じて、安心してサービスを受けられる体制の確保に向けて取り組んでまいります。
介護、障害福祉分野の処遇改善についてお尋ねがございました。
令和7年度補正予算案では、介護、障害福祉分野の従事者に対して幅広く月1万円相当の賃上げ支援を実施するとともに、介護分野については、生産性向上、協働化に取り組む事業者の介護職員に対して月0.5万円相当を上乗せし、あわせて、介護職員の職場環境改善の支援を盛り込みます。こうした支援に加えまして、令和8年度報酬改定における対応を通じて、他職種と遜色のない処遇改善に向けて取り組んでまいります。
なお、介護保険制度は保険料、公費、利用者負担の組合せにより国民皆で支え合うことで持続可能なものとしており、全額公費で賃上げを継続することには慎重であるべきと考えております。
生活保護基準の最高裁判決を踏まえた政府の対応方針についてお尋ねがございました。
政府の対応方針は厚生労働省の専門委員会の報告書等を踏まえ決定したものであり、最高裁判決の趣旨及び内容を踏まえたものであると考えております。
追加給付を行う結果となったことについて、広く国民の皆様におわびを申し上げるとともに、原告の皆様を含め、対象となる方々に丁寧に対応してまいります。
消費税についてお尋ねがありました。
消費税については、社会保障の財源として活用され、社会保障給付という形で家計に還元されており、これを廃止した場合、年金、医療、介護、少子化対策という国民の皆様の暮らしに深く関わる行政サービスにも影響が出かねないことに留意する必要があり、廃止することは不適切と考えております。
現在、内閣として最優先に取り組むべきことは物価高対策であり、暮らしの安心を確実かつ迅速に届けることです。速やかに対応できる物価高対策などに優先して取り組み、できる限り早期に実施に移してまいります。
以上です。


