バリアフリートイレの一部は、一定の時間がたつと自動的に解錠され、トイレをしている最中に突然ドアが開いてしまうということがあります。
利用するしょうがいしゃのプライバシーが著しく侵害される事態が起こっているという当事者の声を踏まえ、今年6月の国土交通委員会で改善を求める質疑を行いました。
2025.6.12 参議院 国土交通委員会 質疑
この私の質疑を受け、国土交通省は国土交通省は7月30日付けで、自治体や全国の交通機関、百貨店が加盟する団体などに、利用者の尊厳が守られるよう、扉が自動で開かない設定にするなどの配慮を求める事務連絡を発出しました。
質疑ではガイドラインの改善も求めており、国交省からは「当事者のご意見も伺うなど、丁寧に進めてまいりたい」と答弁を得ています。
引き続き、バリアフリートイレを使用するしょうがいしゃの尊厳が守られるよう、働きかけてまいります。
事 務 連 絡
令和7年7月30日
一般社団法人 日本百貨店協会 御中
国土交通省総合政策局共生社会政策課
長時間の利用に対する自動解錠機能等のあるバリアフリートイレについて
平素より、国土交通行政の推進に多大なるご理解、ご協力を賜り、御礼申し上げます。
バリアフリートイレについては、長時間の利用があった場合、非常時対応や防犯のため自動で解錠される設定がされていることや、施設管理者等に自動で通報され、通報を受けた施設管理者等が扉を開けて内部の状況を確認する運用がとられていることがあります。
一方で、重度障害者等はトイレの利用時間が通常よりも長くなる実態があるため、バリアフリートイレの利用中に自動で解錠され、扉が開けられてしまうことにより、利用者の尊厳が損なわれる場合があるとの指摘があります。
このため、貴法人におかれましては、バリアフリートイレの利用者の尊厳が十分に守られるよう、所属会員の施設管理者等に対し、下記の事項について、最大限の配慮を行っていただくよう周知をお願いいたします。
記
1.解錠時間の設定等
・重度障害者等の場合、バリアフリートイレの利用時間が通常よりも相当程度長くなることがあるた め、解錠時間の設定にあたっては、利用者の実態を考慮して、長めに設定することが望ましい。
・また、自動扉のタイプによっては、一定時間経過後に自動で解錠されるだけでなく扉そのものが自動で開くタイプのものがあるが、扉が自動で開かない設定に変更するなど、利用者の尊厳が守られるよう配慮を行う必要がある。
・利用時間が長くなり施設管理者等に通報等が行われた場合に、施設管理者等が扉を開けようとする際には、中の利用者へ声かけを行って内部の状況を確認するなど、利用者の尊厳が守られるよう配慮を行う必要がある。
2.利用者への周知
・バリアフリートイレの利用者に対して、長時間の利用の場合には、自動で解錠されることや、自動 で通報がされ、施設管理者等が中の利用者に声かけを行い、場合によっては確認のために扉を開ける可能性があることなどについて、トイレ内外に注意喚起の文書を掲示することなどにより、十分に周知することが望ましい。
3.その他
・バリアフリートイレの利用に関するトラブルを防止するためには、自動扉や通報装置などの設備について、日常的に維持管理や点検を適切に行う必要がある。
以上